県立大
膝の痛みに関する悩みや困り事を感じている地域住民を対象とする運動教室が2月22 日、越谷市三野宮の県立大学(星文彦学長)で開かれ、約45 人が痛み軽減に効果的なストレッチや筋力トレーニングを体験した。
この運動教室は、県立大が進めている「大学と地域の連携」の一環で、県立大に近い同市千間台地区の住民に「膝が痛い人」限定で参加を募ったところ、50 人近くが集まった。
企画・運営したのは理学療法学科の小栢(おがや)進也准教授のゼミ3年生4人。小栢准教授の指導の下、海外の論文数十本から、膝の痛み緩和の効果に科学的根拠のあるストレッチや筋トレ方法を調べて運動メニューを作り上げた。学生自ら、住民に運動指導や情報提供などを行うことで、学生たちが社会に出てすぐに理学療法士として活躍できるよう実践的な経験を積む学生教育も兼ねている。
今年1月、住民の身体機能測定でスタート。週1回、6週連続で運動教室を行い、最後に再び体力測定を行って成果を測る。
6回目のこの日は、平千夏さん(21)と須﨑柊(しゅう)さん(21)が指導に当たり、片脚をゴムバンドでいすに縛り付けて負荷をかけた状態で前や横に伸ばしたり、膝を45 度くらいまで曲げるようにスクワットしたりする運動などを、休みをはさみながら次々に行った。
途中の休憩時間には、小栢准教授が「健康は運動と食事が大事。ただ、残念ながら膝に効果がある食事は科学的に証明されていない。だから運動して、体重を減らしましょう」と継続を呼びかけた。
教室は約1時間30 分で終了。3年ほど前から膝に痛みを抱えているという青柳博子さん(74)は「楽しく参加できた。まだ(階段などを)下りる時はつらいが、上る時は少し楽になった気がする」と言い、「学生さんたちが一生懸命指導してくれるので、応援したくなった」と話していた。
須﨑さんは「海外の論文を探すのが大変だったが、地域の皆さんが温かい雰囲気を作ってくれてよかった」。平さんは「人前で話すのはすごく緊張したが、少し度胸がついた」と手応えを感じていた。
小栢准教授は「学生はなかなか人と話す機会がないので、とても良い経験になったはず」と話していた。
同ゼミでは今後も、膝の痛みを緩和する運動教室を開いていく計画だ。