草加市北谷の無職、柳堀正明さん(78)と妻の美代子さん(75)の油彩画展「ふたり展 円満を装って」が、26日から同市の「草加アコスギャラリー」で開かれる。夫婦一緒の展覧会は初めて。2人は「今年金婚式を迎えた記念。コロナ禍でも開催できてうれしい」と喜ぶ。油彩画に熱中する妻につられて、夫も本腰を入れたという“婦唱夫随”。周囲から、「おしどり夫婦」と言われると、タイトルのようにしゃれのめす2人。「描きたいものを好きなように描いただけ」と肩の力を抜きつつ、「心に残る展覧会に」と張り切っている。
先に油彩画を本格的に始めたのは美代子さん。子育てが一段落した約30年前、勤労福祉会館(同市旭町)の油絵教室を受講した。姉が油彩画をやっていて興味を持っていたことや、正明さんの学生時代の油絵の具が残っていたことが後押しした。1998年に同教室を卒業して、油絵教室「彩の会」を設立、現在も活動を続ける。
正明さんは、学生時代に勉強の合間の気分転換で油彩画を描いていた。「道具を全部そろえないと気が済まなかった」凝り性の反面、「あくまで軽い趣味程度」で、その後、絵筆を取ることは少なかった。
しかし、72歳まで会社勤めをした正明さんは、「彩の会」の会長として、油彩画を本格的、かつ楽しそうに描く妻を見ているうちに「自分も油彩画に再度挑戦しようと思った」という。3年半ほど前のこと。
今年4月4日に金婚式を迎えた2人。キャリア3年半の正明さんは「まだまだ未熟だが、金婚式の記念に」と展覧会を企画した。
展示作品は、花や静物画、風景や人物画など2人で計35点。正明さんがF20号~6号サイズ20点で、小型サイズのキャンバスに細かい筆を用いて繊細に描いている。「構図や筆遣いは勉強中」とか。
一方、美代子さんはF30号~F4号サイズ15点。大型のキャンバスに太めの筆やパレットナイフなどで豪快に描いている。「細かいのが苦手で豪快に描くのが持ち味」と美代子さん。
作品にはタイトルと説明分を付すが、「面白おかしく心に残るようなものを意識している」という。
「自分の描きたい物を描いた。忌憚ない意見をいただけたら」と正明さん。美代子さんは「好きなことをやって楽しく生きたい。絵に集中すれば嫌なことも忘れられる」と話す。
同展の開催期間は26日から30日の午前10時から午後5時(初日は午後1時から、最終日午後3時)まで。