苗木のホームステイ 「子どもと一緒に育くむ」
越谷市は3日、苗木を家庭で育ててもらい、今年11月頃、小鹿野町の「こしがや・おがの交流の森」に植樹する「苗木のホームステイ」の参加家族に、もみじの苗木の配布を行った。対象は、市内の小中学生を含む家族で、19組70人が参加した。
同市は昨年5月、同町と「森林整備の実施に関する協定」を締結。交流事業の一つとしてさまざまなイベントを企画し、苗木のホームステイによる「カーボン・オフセット」にも取り組んでいる。人の活動によって排出される二酸化炭素などの温室効果ガスを他の場所で削減・吸収し埋め合わせることで、市内に森林のない同市が同町の森を整備する手伝いをすることでカーボン・オフセットに貢献する。
苗木を寄付した同町の加藤佳英さんは、「もみじい」と呼ばれるもみじ博士。椛もみじと楓かえでの違いや種類などを映像で説明し、種や花などさまざまな話を聞かせた。また、苗木の水やりや肥料の量やあげ方について詳しく説明し、質問に答えていた。
息子の利玖さん(10)と参加した福岡淳子さん(43)は「子どもが毎日、学校に行く前に水をやる習慣がついてくれるといい」と話す。小林弘典さん(48)は「苗木を子どもと一緒に育てたい」と言う。娘の葵さん(8)は祖母がいちご農園で働いていることもあり、小さい頃から植物好き。「苗木を育てることに興味がある。毎日水をあげる」と話していた。
参加者は、今年11月頃、同町へのバスツアー(無料)で、2025年に「秩父ミューズパーク」で行われる「第75回全国植樹祭」の200日前イベントで育てた苗木を植樹する。
「このイベントを通して、身近な緑の大切さや地球温暖化に少しでも興味をもってくれればうれしい」と同市環境政策課の西岡宏城課長は話していた。