埼玉県にゆかりの深い勾玉(まがたま)を作る体験会が、「埼玉県民の日」の11月14日、吉川市の児童館ワンダーランドで開かれ、子どもたちが殺到する人気ぶりだった。
同館はこの日を県への誇りと愛着を深める日として、「さいたま郷土かるた」や、近代日本経済の父として有名な渋沢栄一の「人生ゲーム」なども行った。
勾玉工作には、幼児から小学校高学年まで多数が参加。子どもたちは開館の9時から列を作り、時間によっては部屋に入りきれないほど。
作り方は、粘土鉱物の一種「滑石(かっせき)」に鉛筆で勾玉の形を書いて削っていき、最後にひもをつけるというもの。削りは3段階あり、最初は目の粗い紙やすり、次に細かい紙やすり、最後は耐水ペーパーを水につけて磨く。子どもたちは約1時間かけて完成させていた。
荒川心羽さん(10)と境陽夏さん(10)は「削るのが楽しい」とうれしそうに工作をしていた。
「埼玉県章」は16個の勾玉を円形に並べたもので、埼玉の由来「幸魂(さきみたま)」の「魂」が「玉」をも意味しているなど、勾玉と県の関係は深い。
午後は、千葉俊樹館長がさいたまの魅力を、スライドを使って紹介。秩父の「夜祭」や岩槻の人形など県内の歴史や見どころを伝えた。「今日は県民の日なので、吉川以外の話がいい。勾玉を作って埼玉県のマークを作ったと記憶に残ってくれればいい。インパクトを持ってもらえたと思う」と話していた。
吉川市/こつこつ削って勾玉作り 県民の日に体験会