「デートDV防止講座~もしかして、これってデートDV!?~」がこのほど、越谷市男女共同参画支援センター「ほっと越谷」で行われた。「デートDV」とは交際相手による暴力行為のことで、身体的な暴力だけでなく、大声でどなる、ほかの人とのメールをチェックするなどの精神的な暴力も含まれる。DVと比べて認知度が低く、当事者も気づかないうちに被害者・加害者となる恐れがあることから、意識改革が求められている。
講座では、デートDVが自分や身近な人に起きた場合、どう対処すればいいかを学んだ。講師を務めたのは、暴力・差別のない社会を目指し、DV防止・被害者支援活動などを展開しているNPO法人「女性ネットSaya-Saya(さやさや)」の暴力防止ユースプログラム「チェンジ」メンバー、後藤暢子さんと河西ひとみさん。
2001年に「DV防止法」(配偶者暴力防止・被害者保護法)が成立したものの、都道府県などの配偶者暴力相談支援センターに寄せられたDV相談件数は、20年度に過去最高の12万9491件を記録し、22年度も12万2010件と高水準で推移している。加害者の80%が男性で、被害を受けた女性が命を落とすケースもある。殺傷した理由は「復縁できなかったから」「執着心」「支配力」などの自己中心的なものだ。
後藤さんらは、そうなる前に気づいてほしい「9つのサイン」として、①委縮させる②無視する③脅す④操る⑤干渉する⑥侮辱する⑦嫉妬する⑧管理する⑨孤立させる―を挙げた。加害者は暴力で相手を思い通りにするのが目的なので、これに当てはまる要素があれば専門機関に相談するようにと勧めた。
質疑応答では、DVに遭遇した時の対処法についての質問が多く出された。周りでDVに気づけば、被害者と一緒に加害者に注意するのはどうかとの声も出たが、自らを危機にさらす恐れがあるため避けるべきだと回答。その後、何か起きたとしても、自分を責める必要はないと強調した。
「まずはデートDVに気づくこと。そして、一人で悩まず、相談すること」と講師の2人は話している。
11月12~25日は「女性に対する暴力をなくす運動」期間で、東京スカイツリーや「ほっと越谷」などが暴力根絶のシンボル「パープルリボン」にちなんで紫色にライトアップされた。
越谷市/デートDV実態知って 被害を予防するために講座