越谷西高で 「伝統文化に関心を」
県立越谷西高校(石塚貴久校長)でこのほど、盆栽園やさいたま市大宮盆栽美術館との連携授業が行われた。埼玉県の特産である盆栽の美しさを体感し、伝統文化への関心を高めることが目的。美術Ⅲ「美術総合」の選択科目として、4年連続で行われている。
大宮盆栽村にある「藤樹園」の日本盆栽協会盆栽インストラクター、風見政夫さんが講師を務め、生徒たちは事前に制作した盆栽用の鉢「盆器」に苗木を植えた。
使ったのは初心者にも育てやすい野ボケの一種「長寿梅(ちょうじゅばい)」。苗の周りのゴミやコケを取り除き、盆器に合わせて土を削る作業から開始。生徒たちは「虫が出た!」「どこまで削るの?」などと声を上げながら取り組んだ。枝の剪定(せんてい)に入ると「切り過ぎたら取り返しがつかない」「どっちを切るの」などと戸惑う声も。風見さんは「盆器は浅いのでそれに合わせて土を削り、方向を決めて剪定して」と丁寧に指導した。終盤の苗木の針金掛けや水やりなどを終えると、生徒らはホッとした表情で、「面白かった」「空間の美を感じた」とうれしそうだった。
出来上がった作品は9日から15日まで同美術館で、自作の金屏びょう風ぶを背景に展示された。