人道支援尽くした行動力
独立行政法人国際協力機構(JICA)による講演会が10月20日、春日部市の県立春日部女子高校(岩井幸一校長)で、講師にJICA緒方貞子平和開発研究所の宮原千絵副所長を招いて行われた。埼玉県立総合教育センター企画調整担当の遠藤寛和指導主事が司会を務め、同校の外国語科の1、2年生が参加した。
国際政治学者で、76年に日本人女性初の国連公使、91~2000年に日本人初の国連難民高等弁務官を務めるなど、国連を中心に国際的に活躍した故・緒方貞子さん(1927~2019年)の人生を知り、国際情勢や外交問題に理解と関心を持ってもらうのが目的で、「緒方貞子さんから何を学び、どう生きるか」を考えた。
宮原副所長は、JICAで仕事を共にした緒方さんの動画を見せ、自らの活動を振り返りながら話を進めた。「緒方さんは実際に現場で見て、よく考え、よく学び、知識をもって行動に移した人」だと語った。自らのヨルダンでの生活体験を基に、写真で見るのと、実際に現場で感じるほこりや空気、目や肌の感じ方は違うとして、緒方さんが現場を重視したように、現場を見て学ぶこと、好奇心を持ち、疑問を持って見ることの重要性を強調した。最後に「これを学んで、皆さんは、あした何をしてみたいですか」と問いかけた。
生徒たちは「好奇心が鍵という言葉は勉強において常に実感していることなので、これからも大切にしたい」「行動力と一日一日を大切にすること。目標をもって昨日の自分を越えられるように頑張りたい」「緒方さんの素晴らしい行動の裏側にはたくさんの経験などがあることがわかった。何をするにも学ぶこと」などと振り返っていた。