継続的介護予防に「 通いの場」活用を
運動機能を向上させ、フレイルを予防する越谷市オリジナルの「越谷楽のび体操」などを試してもらう体験会が9日、越谷市中央市民会館で開かれた「協働フェスタ」で実施され、訪れた市民が次々に体験した。市内には、市で養成した「介護予防リーダー」が立ち上げた、住民主体の「通いの場」が46か所あり、介護予防や健康づくりに取り組んでいる。
体験会を実施した市地域包括ケア課では「体験してこれは良いと感じた人は、ぜひ通いの場に出向いて、継続的に介護予防体操をしてほしい」と呼びかけている。
「越谷楽のび体操」は伸縮性に優れたゴム製のセラバンドを使い、腕や脚などに負荷をかけ、手軽に筋力トレーニングができる体操。体験会では、越谷市リハビリテーション連絡協議会から派遣された岡田健太郎さん(28)(医療法人敬愛会リハビリテーション天草病院)ら理学療法士4人が、セラバンドを両手に持って水平や上下に伸ばすなどの体操を教えた。参加者は「ポイントは斜めでなく、真上・真下に伸ばすこと」を意識しながら、1から4まで数えながら伸ばし、5から8でゆっくり戻す動きを体験していた。
体操を初めて体験した同市新越谷の無職、横江定一さん(84)は「きつかったが、効果を感じた。右腕が上がらなくなり、以前は整形外科でトレーニングしていた。やめてしまったが、やらなきゃと思った」と話していた。
参加者の前でお手本を示した介護予防リーダーの宇野町子さんは、民生委員を務めるかたわら、他のリーダーとともに北越谷2丁目の通いの場「さくらクラブ」を立ち上げた。毎週木曜午後1時30分からと2時30分からの2回、自治会の会所で体操を行っている。別の健康体操「ハッポちゃん体操」を交えるなど「変化をつけて、マンネリ化しないように工夫している」という。
小林道之同課長によれば、フレイル予防の3本柱は「栄養」「運動」「社会参加」。「通いの場に出かけて体操をすることは、運動だけでなく社会参加という点でも意味がある」という。ただ、悩みは男性の参加が女性に比べてはるかに少ないこと。「男性がもっと参加してくれるよう周知していく」と話していた。