地域連携で貴重な経験
獨協大学経済学部の高安健一教授(64)がこのほど、「半径3㌔のPBL 埼玉県草加市で挑んだSDGs地域連携の記録」(小B6判、310㌻モノクロ、幻冬舎)を発行した。
PBLとは「Project Based Learning=プロジェクト型課題解決学習」の略で、自ら問題を見つけ、自ら解決する能力を身に付ける学習方法とされる。
1期生から12期生までの総勢257人のゼミ生が取り組んだ計50のPBLのうち、2016年度から21年度までに実施した地域連携PBLなどを中心に紹介している。
一例として、15年に訪れたインドネシアで蚊を媒介したデング熱の深刻さを実感し、虫よけ効果のある布で制作したトートバッグの「カban」、草加せんべい(割れせん)を活用した若者市場開拓で、パッケージに書かれたネーミングとイラストから中身の見えないせんべいの味を想像してもらう「草せん」、外国人住民を対象とした災害時対応冊子の制作や発行など。
ゼミ知るきっかけに
高安教授は「草加市の三大地場産業であるせんべい、皮革、浴衣の存在が大きい。PBLなどを介して地場産業と触れ合うことが学生にとっては貴重な経験になっている」と指摘。また、成果物などの記録を残すことは大学の役割とし、「他の学生の手本にもなるし、メディアに取り上げられると第三者の評価につながり、学生の自己有用感や自信にもつながる。さらに高校生やその保護者たちの目に触れることで、大学やゼミがどのようなことを進めているかを知るきっかけになれば」と意義を強調した。
同書は書店やアマゾンなどのインターネット通販で購入できる。