三郷市立丹後小学校(山口清孝校長)はこのほど、子どもたちに政や選挙への関心を高めてもらおうと、6年生61人を対象に県や市の選挙管理委員会を招き、「出前講座」を実施した。
授業は県選管職員の中島和典さん(38)が講師を務め、前半は座学で選挙の意義や各種選挙の投票制度、投票率の現状を説明した。
本番さながら投票体験
後半は、「彩の国市」という架空の市の市長を決めるという設定で、本物の投票用紙や投票箱などを使い、模擬投票を行った。
立候補者は「環境問題」を掲げる神奈川海吉さん、「年金、福祉、医療」を掲げる栃木花子さん、「まちづくり」を掲る埼玉陸男さんの3人。それぞれ同校の教諭が児童らの前で演説を行い、その後、模擬投票を実施した。その結果、神奈川さん31票、埼玉さん20票、栃木さん9票で、「環境問題」を掲げた神奈川さんが市長に選出された。
神奈川さんに投票したという大倉愛菜さん(12)は「それぞれの候補者がいいことを話していて、誰を選ぶかすごく迷った。(神奈川さんは)自然環境やまちを変えてくれそうな気がした。自分が投票した人が当選してよかった」と話していた。
講師の中島さんは「今回の授業で選挙に興味を持ってもらい、実際に投票する時に少しでも思い出してもらえれば」と話し、山口校長は「授業でも触れた、選挙の一連の流れを実際に知ってもらう機会になった。授業を受ける子どものたちの姿を見て、意識も高いと感じた」と喜んでいた。