
松伏町シルバー人材センターによる「松剪せん定てい講習会」が3月15日、同町役場駐車場で行われた。同センターで松の剪定作業を請け負っている一本富士人さん(80)が講師となり、高さ1㍍ほどの松で剪定方法を指導。その後、町内在住の参加者20人が町役場の正面にある松を剪定した。
きれいに剪定された松を見て、一本さんは「いいんじゃない」とうなずいた。剪定する際に「樹形を見ながら上から下に作業する」「出過ぎたところがないように高さをそろえる」など11の心得を話し、下から声をかけてコツを教えた。
同センターでは、剪定は上手な人が行い、新人は切った枝や草を集める作業をする。「それが嫌で辞める人もいる」(一本さん)という。そんな中、3年目を迎える鈴木康雄さん(77)が、今年は松のてっぺんを剪定した。はしごから降りて樹形を見ては、また上がって剪定を続ける。心得の一つだ。
「切るのは簡単だが、樹形を壊してしまうかもしれない怖さがある」と話しながらも楽しそうだ。参加者の元の職業はドライバーや眼鏡店勤務などさまざまで、定年退職後に始めた人が多い。松は剪定の中でも特に難しいため、講習会やユーチューブなどで勉強して上手くなっていくという。「今回剪定したものの答えは1年先の枝に出る。それで自信を持つ人もいるし、ひどかったらこうなるというのもわかる」と一本さんは話していた。