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越谷市越ヶ谷の久伊豆神社の社叢(しゃそう)(神社の森)を未来に残すための「久伊豆神社グリーンウォークプロジェクト報告会」が3月15日、同神社修道館で行われた。市の環境保全区域、市指定文化財であり、郷土景観を代表する同社叢とそれを構成する樹木に市民が触れ合うことで、楽しみながら環境教育的な知識を学び、シビックプライド(まちに対する市民の誇り)を育んでもらおうというプロジェクトだ。
同プロジェクトでは昨年度、①47種約570本の社叢林の中から特徴的な樹木20種を選び、生態や管理方法などを解説したウェブ図鑑を作成②親子参加のワークショップで樹木20種の樹名板を作成・設置③樹名板を設置した樹木を見て歩くモデルコースを巡るガイドツアー実施――の3事業を行った。
報告会では、同神社の小林威朗禰ね宜ぎが樹名板の紹介とワークショップやガイドツアーについて報告。続いて同社叢を未来に残していくための方策についてパネルディスカッションを行った。
この中で、市生涯学習課莵原雄大氏は、市のこれまでの取り組みや条例などから社叢の文化財的価値について説明し、樹木医の細野哲央氏は幹周3メートル以上の巨樹が育ち、郷土景観としてスダジイ群落が評価されてきたが、現状では巨樹の樹勢衰退が顕著で、ナラタケによるタブノキの被害が多いことも指摘した。NPO法人越谷市住まい・まちづくりセンターの若色欣爾代表理事は、鎮守の森は古来、人々をつなぐ場所であり、未来に残していくためには「日頃から関心を持つ」こと、「触れ合い楽しむ」こと、そして「考える」ことが大切だと強調。まちづくりは「住民自ら身近なところから考え、主体的に関わっていく」ものだとして、市民の積極参加を訴えた。