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草加/春を告げる風物詩

 草加市の国指定名勝「おくのほそ道の風景地 草加松原」で5日、「松のこも外し」が市委託の造園業者によって行われた。

松の木からこもを外していく造園業者


 前日に積もった雪が残り、冷たい雨も降る足元の悪い状況だったが、造園業者は松並木の北側から順に、松の木の地上1~1・5㍍ほどの位置にくくりつけられた2本の縄をはさみで切り、素早くこもを外していった。

 雨具に身を包んで作業をした造園業者の岩永正次さん(74)は、「雨や雪の影響で正確な数は不明だが、害虫の数は例年程度だと思う。それより排気ガスなどによる油膜の付着の方がひどい」と話していた。


 こも外しは、秋口に松の木にこもを巻いて越冬する害虫を誘い込み、啓蟄のこの時期にこもを外して駆除する昔ながらの方法で、草加市に春を告げる風物詩となっている。
 例年なら遊歩道を散歩している人が足を止めてスマートフォンなどで撮影するが、今年は足早に通り過ぎる人が多かった。