買い物困難者に救いの手

越谷市では、高齢者を中心とした「買い物が困難な人」を支援するために、2月からウエルシア薬局(本社・東京都千代田区、田中純一社長)、カスミ(本社・茨城県つくば市、塚田英明社長)と連携して移動販売を開始する。それに先立ちカスミが6日、越谷市役所エントランス棟正面玄関で、テープカットと販売車両披露、販売会を行った。
同市内では一部地域で移動販売車の運行が行われているが、同市が事業者と直接連携して移動販売を行うのは初めて。同市は昨年9月、両社と「買い物支援に関わる協定」を締結した。それに基づき、移動販売を通じて、移動手段や身体的な問題などで日常的に買い物に不便を感じている人を支援する。また、販売員や近所の人たちによる高齢者の見守り、買い物客同士のコミュニケーションなども促進させる。
運行日は、ウエルシアが10日から42か所、カスミが17日から40か所(ウエルシアのみの運行が2か所あり)。販売日は、月曜日から金曜日までの週5日間で、路線バスが利用しづらい桜井、出羽、増林、大相模、新方、荻島の6地区が販売エリアとなる。
販売商品は、カスミが生鮮食品、総菜、加工食品、冷凍食品など650品目。ウエルシアは、食品に加えて日用品、医薬品、化粧品などを充実させている。販売場所は、自治会館や集会所で、滞在時間は約15分だ。
カスミは2013年から移動スーパーを開始。茨城、栃木、千葉、埼玉エリアで実施しており、同市で74台目となる。地域社会マネージャーの伊神里美さんは「免許返納で店舗に来られなくなるという現状がある。その方たちに新鮮なものを食べていただきたい。リクエストに応えて、商品を増やしていく」と意気込みを話した。カスミの冬の定番「焼き芋」は茨城県産「紅天使」を使用して321円。店舗と同価格だ。
今回、移動販売を開始する南越谷店の宮窪研二さんは「ゆっくりとお買い物を楽しんでください」と話していた。