避難生活のヒントも提示 被災体験基に「自助」強調

防災講座「災害発生 なにができるか?~あなたと地域の役割へ~」が1月26日、越谷市の大袋地区センター・公民館で行われ、55人の住民が集まった。
今回の防災講座は、「いのちとぶんか社」で防災教育コーディネーターをしている葛西優香さんを講師に招き、個人や地域でできること、避難所の運営、自治会でやることなどを考えた。大袋地区コミュニティ推進協議会の主催で、同市男女共同参画支援センター「ほっと越谷」の出前講座として実施された。
葛西さんは自らの体験を基に、防災上の重要なポイントを話した。家具の転倒防止などの「自助」、震災後しばらく行き届かないと思われる「公助」、個人と社会の接点、地域の助け合い「共助」の3点だ。
阪神淡路大震災では、ショックで具合が悪くなったり口をきけなくなったりした人もいた。そんな時にほっとしたのが「知り合いの声」「近所の人の顔」の「共助」だったという。「公助」はいつ来るか分からない。そんな時のために地域の助け合いである「共助」が重要だと強調した。
次に「自助」。家具の転倒防止、火災防止に加えて個人の備蓄が大切だ。1人1日で食料3食、水3㍑、簡易トイレ5回分が必要。それに加えて、カセットコンロや懐中電灯などの備蓄品を事前に用意する。「自助」は当たり前のようでできていない人が多い。それを震災で目の当たりにして、「これはあなたがやることなんです」と葛西さんは強く訴えた。
災害に遭った時は、積極的に自ら動き、避難生活は「自助」、「共助」で乗り越える。避難所ではさまざまなことが起きる。「アレルギーを持っているため、普通の食事が食べられない子」、「食べるとトイレに行きたくなるから、水も飲まない高齢者」などだ。
葛西さんは、「特技を理解し、協力して、自助力・共助力を培い、越谷も強きょう靭じんな地域に」と締めくくった。
休憩時間に葛西さんは住民らとジャンケンして体をほぐした。「こういうことをやると体が温まる。災害時にはぜひやってください」と避難生活のヒントを提示した。住民は緊張をほぐしながら災害時の対処法を学んでいた。