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小児科医ら子育て支援・医療関係者のチーム「つむぎて」

2021.1.4(越谷市)
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 医療関係者による独自の子育て支援団体がこのほど、越谷市に誕生した。同市レイクタウンの小児科医、吉岡淑隆さん(39)が呼びかけて発足した「つむぎて」(吉岡代表)。行政や地域には子育て支援の輪が広がっているが、医療関係者は受診に来た家族らとしか出会えず、十分な支援が難しいのが実情。このため、吉岡さんらは「医師らも積極的に外に出よう」と支援チームを立ち上げた。地域の保育所や幼稚園、小学校やイベントなどに出かけて、子育ての「出張講座」を開催していくという。医療関係者のこうした支援団体は全国的にも珍しいという。

 子育て支援チーム「つむぎて」のメンバーは、医師、看護師、助産師ら医療関係者8人。代表の吉岡さんは都内の小児科医院勤務の小児科専門医。妻、こず枝さん(42)も川口市内に勤める小児科専門医だ。

 小1(7)と4歳児の父親の吉岡さんは、日常の診察に忙殺され、地域のニーズに応えていないのではと考え、2019年5月から、妻や看護師らと共に、越谷市内で「産後ケア」や「子育て広場」などを独自に開いてきた。すると、涙を流しながらSOSを発する母親ら、診察室では見えなかった姿が浮き彫りになった。

 虐待や虐待に近い状態の家族に出会うこともたびたび。それぞれに深刻な事情、背景があった。吉岡さんは「誰がなってもおかしくない厳しい状況で、子育て世代の家族が子育てをしていることに目を向けなければ」との思いを強くしたという。

 「子どもをかわいいと思えない」「子どもを怒鳴ってしまった」「赤ちゃんが泣くと、同居家族から母乳が足らないんじゃないか、と言われてつらい」などと訴える母親たちの声に耳を傾け、アドバイスするには、「医師のアウトリーチ(積極的に対象者の居る場所に出向いて働きかけること)が必要」と吉岡さん。

 「つむぎて」の名前は「紡ぐ」が由来で、「思いを紡ぐ」「人生を紡ぐ」「命を紡ぐ」というように、よりをかけた糸のようにつながっていく様を表したという。

 今後は「小児医療に関する講座」や「乳幼児子育てに関してのお話会」などを月1回ペースで開催していく計画。外出が難しい赤ちゃんと母親向けには、オンライン講座も予定している。原則、越谷市内なら、どこでも出かけて開催する予定。講座の内容は、「病気やアレルギー」「けがややけどの対応」「心臓マッサージや気道異物など救急対応」「予防接種」など多岐にわたる。

 吉岡さんは「小児科医が地域に出ていくことで、親たちが相談しやすくなり、子育て支援につながる。どんな悩みでもいいので、寄せてほしい」と呼びかけている。拠点となる「つむぎてこどもクリニック」が同市レイクタウンに今春開院を予定している。

 <問い合わせ>つむぎてteam.tsumugite@gmail.com。
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