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ピンチ!「いのちの電話」・コロナ禍で相談員不足

2020.11.16(さいたま市)
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 「埼玉いのちの電話」(事務局・さいたま市)が、深刻な相談員不足でピンチに陥っている。自殺を考えるまでに追い込まれた人たちの“最後のとりで”なのだが、コロナ禍で自宅待機する相談員も多く、相談員が減る一方、相次ぐ芸能人らの自殺の影響で30代以下の若い女性らの相談が急増。「電話がつながらない」との苦情も増えている。相談員不足のほか、深刻さから相談時間が長引くのも要因の一つという。 同いのちの電話の相談件数は全国最多だけに、関係者は「相談員を増やすのが急務」として、来月5日、越谷市で募集説明会を開く。

 「いのちの電話」は1953年にイギリスで始まり、日本では71年、ドイツ人宣教師の呼びかけで、全国に広がり、現在、全国52か所で約6200人がボランティア相談員を務めている。「埼玉いのちの電話」は91年9月開設。電話7台、24時間態勢でボランティアの相談員約300人が対応している。昨年の相談は約2万7000件で、年間相談件数は全国最多。1件の相談時間は平均35分と延びており、内容も深刻化している。

 特に今年は、コロナ禍で緊急事態宣言が出された4月以降、「コロナの影響で仕事がなくなり、死にたい」(バス運転手)と訴える人や、「自宅待機中の夫からの暴力がひどくなった」(主婦)との悲痛な声が目立っている。また、著名な芸能人の自殺が相次いだため、若い女性たちの相談が急増したという。

 コロナの影響は相談員にも及んでいる。4月以降、300人の相談員のうち、90人が感染を警戒して自宅待機し、事実上欠員となる状態が7月初めまで3か月続いた。現在も20人が自宅で自粛生活中という。

 とりわけ、「夜間(深夜〜翌朝)」の相談員不足が深刻で、一人きりになることもあり、電話がつながらない状態となってしまう。

 相談員になって30年の女性(82)(同いのちの電話・理事)は「今年は女性からの相談が急増している。ステイホームのストレスで、身も心も疲れてしまうのかも」と話す。

 今年6月からコロナ禍への対応で、通話料を国が補助する「毎日フリーダイヤル」(毎日午後4時〜9時)が開設され、有料の「ナビダイヤル」もあるが、共に電話が殺到して。同いのちの電話の内藤武・事務局長(76)は「相談内容が深刻化している。相談員も高齢化しており、新しい相談員を増やすことが急務」という。

 相談員は約1年半の養成講座を受講し、認定を受けることが必要。同いのちの電話は、募集説明会を12月5日午後2時から越谷市中央市民会館で開く。事前予約不要。

 問い合わせは「埼玉いのちの電話事務局」(TEL048・645・4322)へ。なお、相談電話はTEL048・645・4343(24時間対応)まで。
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