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八潮初の「産後ドゥーラ」・家事、育児で母親支援

2020.10.13(八潮市)
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 産後の母親の家事、育児を支援する「産後ドゥ―ラ」を知っていますか――。八潮市垳(がけ)の鈴木早織さん(40)と、同市浮塚の杉本れいなさん(37)の2人はこのほど、同市初の「産後ドゥーラ」の資格を取得して活動している。「産後ドゥーラ」は、専門の資格を持った女性が、母親の体や精神状態に不調の出やすい時期、家庭訪問して、「産後うつ」などを防止し、育児環境の改善をサポートする仕事。まだ知名度は高くないが、全国的にも珍しい助産院と連携した活動をしている2人は、「産後ドゥ―ラを広く知ってもらいたい」と意欲を燃やしている。

 「産後ドゥーラ」は1970年代、アメリカで助産師の職業が衰退した時期に確立され、現在、世界各国に広がる。「ドゥ―ラ(doula))は本来、ギリシャ語で他の女性を支援する経験豊かな女性のこと。日本では2012年に一般社団法人「ドゥーラ協会」(東京都千代田区、宗祥子代表)が設立され、「産後ドゥーラ」の養成・認定事業や妊娠、出産、産後、子育てに関する知識や情報提供、「ドゥーラ」の養成プログラムの開発などを行っている。認知度はまだ高くない。

 しかし、母親の「産後うつ防止」や「児童虐待防止」を目的にしており、重要度はきわめて高く、東京都品川区や港区、千葉市、横浜市、静岡県菊川市などの自治体では、「ドゥーラ」が産後の母親の支援サポートを行っている。

 保育士をしていた鈴木さんと介護職員をしていた杉本さんは、同協会の研修を受けて、「産後ドゥ―ラ」の資格を取得した。八潮市では初めてとなる。

 「ドゥーラ」の派遣は、通常は母親がドゥーラ協会に依頼して行われている。しかし、鈴木さんと杉本さんは、同市大曽根の子育て応援助産院「さら助産院」と連携しており、母親がドゥーラ協会に依頼しなくても、「産後ドゥーラ」をはじめ、「助産師」「保育士」がチームとなって、母親が必要とする“かゆいところに手が届く”サポートに取り組むことができるという。

 東京都や神奈川県、千葉県などのように、自治体の産後ケア・サポートや子育て支援センターなどで、「産後ドゥーラ」が活躍する例はあるが、助産院と連携した「産後ドゥーラ」活動は全国的にも珍しいという。

 鈴木さんは「初めての出産や育児で、母親として小さな命を守るために24時間緊張し、1人で頑張らなきゃと考え込む人も多い」と話し、杉本さんも「核家族や、同居していても親世代や夫が忙しく母親だけで頑張ろうとしている家庭が多い」と指摘する。

 こうした状況に一石を投じる意味でも、「産後ドゥーラとしての活動の幅や認知度を広め、産後に頼れる場所があるという安心感が母親の笑顔につながるサポートができれば」と2人は張り切っている。
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