トップニュース

デジタル博物館開設へ・文化財など電子保存、準備本格化

2020.7.27(越谷市)
ニュース写真
 越谷市は、文化財や歴史資料をインターネットで見ることのできる「デジタルアーカイブ」(デジタル博物館)を導入する。8月1日から市の公式ホームページで、“試行版”を公開し、「どのような資料を公開対象とするか」など市民らから意見を募る。内容・手法を詰めて、2年後の本格開設を目指す。試行版では、市の刊行物、公文書、写真なども公開する。「デジタルアーカイブ」は、さいたま市、川越市、和光市で導入しているが、県東部地域では初めて。同市には郷土資料館や博物館がなく、関係者は「デジタル博物館を将来の博物館建設などの足掛かりにしたい」としている。

 同市は、収集した古文書や行政文書、地域資料、写真、地図、民具、考古資料などの文化財、歴史資料を図書館や公民館などに分散保存している。公開施設は限られ、保存状態が悪く、劣化が進む資料もある。市内各所の仏像や石碑・石仏などの石造物、天然記念物についてはデータベースもない。

 こうした貴重な文化財や歴史資料を市民に公開するには、博物館などのハード面の整備が不可欠だが、莫大な経費を必要とするだけに、すぐには取り掛かれない。このため、同市は、「情報化推進計画 第5次アクションプラン」(2019年度〜2021年度)に基づき、データベース化の第一歩として、「デジタル博物館」を構築することになった。

 中心となって取り組んでいるのが、文化財や歴史資料を管理する同市教育委員会生涯学習課だ。

 同市には国指定2件、県指定7件、市指定64件の合計73件の指定文化財がある。中でも、浄山寺(同市野島)の本尊の「木造地蔵菩薩立像」は平安時代に製作された貴重な立像で、国指定重要文化財に指定されている。

 同課は現在、こうした文化財、歴史資料約1万点を、主に市立図書館と旧荻島地区公民館に保存しているが、いずれも温度、湿度の管理ができず、保存環境は悪い。

 今回の「試行版」では、これらのうち、古地図や古文書、目録、市史の文書データなどを公開する予定で、8月1日からの公開開始に向けて、データ化の作業は大詰めを迎えている。木村和明・生涯学習課課長は「市が所有する資料は市民の財産。市民が手軽に利用できる環境整備が求められている。デジタルアーカイブはその手段として有効」と話す。

 試行版では、同課所有データのほか、広報広聴課の資料(昭和時代の写真、各施設竣工式典の写真など)、市立図書館の資料(野口富士男文庫資料目録など)、総務課資料(行政資料など)なども閲覧できるようにし、内容や意見などを求める。

 同市生涯学習課は「現物には現物の良さがあるが、インターネット上でみられる利便性を感じてもらいたい。本格導入するためには、クリアしなければならない課題はいくつもある。その一つ一つを整理して、実現に向けて取り組んでいきたい」としている。
>戻る