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藍染めマスクが大人気・70代女性グループ「伝統技術守りたい」

2020.5. 11(越谷市)
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 日本の伝統技術の「藍染め」を多くの人に伝えようと昨秋、結成された越谷市の女性グループ「ふしぎぽっけ」(岩井とし子代表)が、ユニークな“藍染めマスク”を作って販売したところ、「マスク不足」の折、人気が急上昇。最近1か月で400枚以上と飛ぶように売れている。同グループは、原料の栽培から刈り取り、染色、製作という一貫生産に取り組む本格派。藍には抗菌、防臭の効果もあるのも、好評の原因とみられる。手ぬぐいやトートバッグなどの各種小物を作る同グループだが、「マスクをきっかけに藍染めに親しんでもらえれば」とマスク作りに追われている。

 「ふしぎぽっけ」は、趣味で藍染めを楽しんでいた越谷市増森の農業、岩井とし子さん(71)が、友人のいずれも同市内の主婦、中野康子さん(74)、大熊孝子さん(70)、伊地知美知子さん(70)、細貝和子さん(71)の4人に呼びかけて昨年10月に結成した。

 岩井さんは、20年ほど前から、さいたま市内の「藍染め研究会」などで藍染めを学び、自宅で衣類や小物を作ってきた。70歳を超えて農業の規模を縮小したのを機に、本格的に藍染めに取り組み始めた。

 仲間の中野さんは、2009年まで、浴衣づくりをしていた同市大間野町の「中野形染工場」(中野留男代表取締役=埼玉県伝統工芸士=)の社長夫人で、染色のプロ。浴衣地を伝統的な手法「籠染め」で染色する国内唯一の紺屋だった。同工場は現在、染色をやめ、染色で使った真ちゅう製の籠(筒)で「灯籠」を製作して販売している。

 プロの中野さんのサポートを受けながら、同グループは、岩井さんの畑(約3000平方b)で、染料の元の藍草の種をまき、育て、葉をつんで、乾燥させる――といった工程で作業している。作業場は岩井さん宅の蔵。葉をもみ出した色で染める「生葉(ルビ・なまは)染め」にも挑戦しているが、粉の染料よりも淡い上品な色に染めあがるのが魅力という。

 岩井さんらは、週3日ほど蔵に集まり、トートバッグやポーチ、コースター、手ぬぐい、Tシャツ、ペットボトルカバー、シートベルトカバーなどを作り、東武スカイツリーライン越谷駅前の観光物産拠点施設「ガーヤちゃんの蔵屋敷」で販売している。

 中でも新型コロナウイルス感染の中で、“ヒット製品”になったのが、藍染めマスク。作っても、すぐに売れ切れるため、会員らはマスク作りに追われる日々だ。

 岩井さんは「藍は一つひとつ微妙に色が異なり、同じものができないのが魅力。深い藍色のものを身に着けていると、心も落ち着く」と藍の魅力を語る。

 また、「藍染めは子どもから大人まで誰でも楽しむことができる。マスクをきっかけに、藍染めの楽しさを知ってほしい」と話している。

 藍染めマスクは、1枚500円(税別)。 

<問い合わせ>「ふしぎぽっけ」の岩井さんTEL965・1366。
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