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”脳機能障害者”施設を開設・県内初、通所支援センター

2018.11.26(三郷市)
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 三郷市のNPO法人「地域で共に生きるナノ」(谷口眞知子理事長)が、病気や事故による脳の損傷で言語や思考、記憶などに障害が起きた「高次脳機能障害」の人たちのための通所施設「地域活動支援センター」を19日から開設した。介護施設やデイサービスなどの受け入れ先がなく、在宅で過ごしていた高次脳機能障害者に対し、機能訓練やリハビリのほか、創作、生産活動の場ともなる施設で、送迎サービスもある。高次脳機能障害者対象の支援センターは県内初。家族の負担軽減にもつながり、障害者を地域で支え合う場所として期待されている。

 地域活動支援センターは、障害者総合支援法に基づき、身体、精神、知的障害者などの居場所や生きがいづくり、困りごと相談などの場提供のための通所施設。06年10月から制度化され、原則市町村が実施し、法人格を持つ団体が事業を行う。

 T型(精神保健福祉士などの配置が必要)や、V型(通所の援護事業5年以上の実績があることなど)に対し、今回、「ナノ」が開設したのは「U型」。雇用、就労が困難な在宅障害者に、創作的活動や生産活動の機会を提供し、社会との交流を促進し機能訓練などのサービスを行う施設だ。

 同支援センターは、「ナノ」事務局(同市戸ヶ崎2の374の1、カフェMILK2階)内に開設され、利用は月曜〜土曜の午前9時30分から午後3時30分まで。15歳以上で障害者手帳か精神障害者手帳交付者のほか、精神科などの診断書があれば利用できる。

 定員は一日15人。機能訓練、リハビリ、脳トレなどのほか、利用者が講師となる創作活動や生産活動もあり、送迎も行う。施設長1人、支援員3人を常時配置し、計11人のスタッフが支援にあたる。利用者には一部負担額があり、利用申請は在住の各市町(同市在住者は市障がい福祉課)で行う。

 「ナノ」は、2001年6月、谷口理事長が、長男が事故で高次脳機能障害となったのを機に、障害のある人もない人も共に生活できる環境づくりを目指し、同じ障害を持つ人や家族と立ち上げた団体。結成後の活動や県から委託されたカウンセリング事業を通じて、高次脳機能障害者は、デイサービスなどが受けられず、やむなく在宅で過ごすケースが多いことがわかった。

 谷口理事長(66)は「機能訓練やリハビリが必要なのに病院には3か月以上はいられず、障害者手帳や精神障害者手帳の交付もなく、診断書は書いてもらえず、介護保険が受けられないなど、さまざまな問題を抱えて家族の負担が大きい」と指摘する。

 このため、「受け皿施設」開設のため、今年7月、NPO法人を取得し、三郷市に設置を申請し、開設にこぎつけた。渡邊正人・事務局長(68)は「障害者手帳がなくても医師の診断書でサービスが受けられる。臨床心理士が月4回、認知機能訓練を行い、閉じこもりがちな障害者・高齢者の外出促進にもつなげたい」と話している。

 <問い合わせ>地域で共に生きるナノ事務局TEL951・1817。
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