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古民家再生、複合店舗に・「はかり家」、仏料理店など7店

2018.8.6(越谷市)
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 越谷市の旧日光街道沿いの古民家がこのほど、複合商業施設「はかり家」としてオープンした。明治期の建物を購入した、住宅メーカー「ポラスグループ」が地元商店街の活性化を目指して企画したもので、市内の若手商工業者らでつくる一般社団法人「越谷テロワール」(畔上順平代表理事)が管理・運営にあたる。レトロな屋敷内には、フランス料理や野菜の直売、イベント・ギャラリースペースなど7店舗が並ぶ。住宅メーカーが中心となった古民家再生は全国的にも珍しく、国や各自治体からの視察が相次いでいる。「登録有形文化財」として国に申請中で、まちの活性化の新たな取り組みとして注目されている。

 同市越ヶ谷本町にあるこの古民家は、計量器などの商いをしていた旧大野邸で、1905(明治38)年の建築。商いから「秤屋(はかりや)」と呼ばれた。敷地は約610平方b。街道に面した間口は約10bだが、奥行き約50bの敷地に平屋の屋敷や2階建ての土蔵が渡り廊下でつながる町屋造り。敷地内に石畳の通路と、しだれ桜のある中庭もある。

 敷地、家屋とも、同市内のポラスグループの「中央住宅」が2015年に購入。同社は「蔵のある街づくりプロジェクト」を掲げ、古民家の部材やデザインを生かした住宅分譲に取り組み、昨年、「はかりや」近くの土蔵「油長内蔵(あぶらちょううちぐら)」をリフォームして街道脇に移築し、“まちづくりの拠点”として同市に寄贈した。

 今回も「歴史ある建物を残して、地元文化に貢献しよう」(中央住宅)と耐震改修し、店舗として賃貸することになった。若者のニーズを取り込めるよう、管理・運営は地元の若手経営者らでつくる「越谷テロワール」が担う。「テロワール」は「土地」を意味するフランス語「テラー」から派生した言葉で、「生育環境」の意味もあり、「越谷流」の意を込めている。

 商業施設の延べ床面積は約300平方b。16畳の座敷がフレンチレストラン、土蔵の1・2階は、フランスのパイ「キッシュ」の販売・カフェのほか、マッサージ店や西洋植栽店、日替わりで楽器教室や絵本の展示販売などを行うギャラリーとなっている。土間と茶の間は「仕事創造ファクトリー」とし、紙芝居や小道具市などイベント会場に使用している。

 同施設を訪れた同市谷中町の主婦、豊田望さん(33)は「昔懐かしい縁側もあり、古風でおしゃれな施設。越谷にこんないいところがあったのだと驚いている」と笑顔で話していた。

 ギャラリースペースでは、市内の音楽家、成田美智恵さん(36)が「だがっきのへや」を毎週木曜日に開催し、木琴などの楽器に触れることができ、有料でレッスンも受けられる。

 「越谷テロワール」の畔上代表理事(42)は「古民家再生は民間レベルでもできることが分かった。『越谷モデル』としてPRしていきたい。国に登録有形文化財への申請もしており、登録されれば、旧日光街道の活性化にもつながる」と期待している。

 <問い合わせ>「はかりや」ホームページhttp://hakariya.jp。
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