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越谷の石仏ベストテン・郷土研究会がガイド作成

2018.4.10(越谷市)
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 古くから民間信仰の拠り所となり、庶民に親しまれてきた「石仏」。越谷市内には約1150基が確認されているが、NPO法人「越谷市郷土研究会」(渡邊和照会長)はこのほど、ユニークな石仏を選び、パンフレット「越谷の石仏ベストテン」を作成した。いずれも文化財には指定されていない“野の仏”。何気なく道端に置かれた庚申塔などだが、迫力に満ちた秀作、ユーモラスなもの、どことなくほほえましいもの―など、味わい深いものばかり。同研究会は「越谷めぐりのガイドに役立ててもらえれば」と話している。

 「石仏ベストテン」は、同協会顧問の加藤幸一さん(68)が、1993年から14年間かけ、越谷市内の石仏を一つひとつスケッチし、刻まれた文字を解読しながら調査した結果を基に作成された。「将来文化財になる可能性のある石仏を紛失や災害による破壊が起きる前に、庶民の歴史として正確に記録するために調査した」と加藤さん。

 14年間の調査対象となった石仏は約1150基にのぼる。文字通り“庶民の歴史”の基礎資料となる加藤さんの労作に対し、同協会の会員らから「石仏の面白さを市民に知ってもらうため、『ベストテン』の形にまとめて紹介しては」といった提案があり、加藤さんも快諾して、パンフレット(A4判、カラー、8n)を作成した。

 ベストテンは、いずれもユニークなものばかりで、市民に興味関心を持ってもらおうとランク付けし、分かりやすい解説を付けて、写真やスケッチを駆使してまとめた。特に活字を大きくして、読みやすさに配慮している。

 例えば、栃木銀行越谷支店(市内越ヶ谷)の駐車場そばの旧日光街道沿いにあるのが「六地蔵」(第4位)。地蔵が子どもを左手に抱え、足元にも子供がすがりついており、まるでマリア様と子どものように見える。地蔵の子どもへの思いが伝わってくる。

 同市船渡の「船渡新田集会所」の敷地内には、“越谷の大仏”がある。「釈迦如来像」(第8位)で、台座も含め170aと越谷の石仏で最大だ。「見ざる・聞かざる・言わざる」のユーモラスな三猿を描いた「三猿搭」(第2位)は大聖寺(市内相模町)にある。1667(寛文7)年の建立という。

 第1位は同じ大聖寺の「庚申塔」。青面金剛(しょうめんこんごう)を描いた庚申塔の代表作で、1839(天保10)年に建てられた。腕が6本、目が3つ、頭にとぐろを巻いた蛇、胸にはドクロの首飾り―という異形だが、繊細な彫りで芸術作品にもなっている。

 パンフレットの巻末には地図が付いている。3000部を作成し、市内の図書館や市民活動支援センター、老人福祉センターなどで無料配布している。同協会の渡邊会長(76)は「越谷市内巡りの資料やガイドとして活用してもらえれば」と話している。

 <問い合わせ>越谷市郷土研究会の渡邊会長TEL963・6436。
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