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市内最古の遺跡発見・古墳前期の「増林中妻遺跡」

2018.2.6(越谷市)
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 越谷市増林の水田で、市内最古とみられる約1700年前の古墳時代前期の遺跡が見つかった。同市教育委員会の昨年末の発掘調査で、竪穴式住居の遺構やススのついた甕(かめ)が出土した。鑑定の結果、古墳時代前期の前半(西暦300年頃)のものと推定された。これまで、市内最古とされる遺跡は同市レイクタウンの「見田方遺跡」(古墳時代後期=西暦500年頃)。今回の発掘結果、それより約200年前から、人が生活していたことを証明する“郷土史を塗り替える発見”となった。同市教委は、「増林中妻遺跡」と名づけて、同市の「埋蔵文化財包蔵地」に指定した。

 遺跡が発見されたのは、新方川に架かる「城之上橋」や同市総合体育館近くの水田の一部。昨年12月26日から28日まで、1090平方bの対象地で試掘調査(遺跡の有無を判断する調査)したところ、竪穴式住居跡や火を使ったと見られる「炉」の跡、甕や壺、土師器(はじき)と呼ばれる土器などの破片約100点が見つかった。

 同市教委と、縄文時代の遺跡のある川口市の市立文化財センターが鑑定したところ、「甕の縁に刻み目があり、表面にハケでつけたような模様がある」特徴から、出土品は「古墳時代前期」と推定した。

 越谷市教委生涯学習課の文化財担当・菟原雄大学芸員は「狭い調査範囲から多数の遺構が発見されており、大規模集落の可能性がある。竪穴式住居の遺構やススのついた甕が出土しており、間違いなく人が生活していたと考えられる」と話す。

 今回の発掘のきっかけは、同市増林の自営業、山本泰秀さん(75)が1996年から3年間かけて、自宅近くの水田で大量の土器を採集したこと。県埋蔵文化財調査事業団は、山本さんが採集した土器のうち10数個を「弥生式土器」と鑑定した。

 山本さんはこうした調査結果を文書で同市教委に報告し、これを受けて同市教委は、山本さんの協力を得て、今回初めて発掘調査を実施したもの。

 今回の結果に、山本さんは「期待した弥生式が出なかったのは残念。もう少し広い範囲で調査すれば、出るかも知れない。しかし、古墳前期に増林の地に人が生活していたことが明らかになったのは、郷土史を塗り替えることうれしいニュース」と喜ぶ。菟原学芸員も「長年地道に歩いた山本さんの調査結果は貴重な資料」と話している。

 同市教委は「古墳時代前期の遺跡は、台地上に立地するもの比較的多く知られているが、越谷のような低地での遺跡はほとんど発見されていない」と増林中妻遺跡の資料的価値を評価する。

 発掘された甕や土器などの一部は、25日に市中央市民会館で開かれる「市生涯学習フェスティバル」で展示される。同市教委教育総務部の福田博副参事は「越谷市の歴史を塗り替える貴重な調査結果を多くの市民に知ってもらい、歴史ロマンに触れてほしい」と呼びかけている。

 <問い合わせ>越谷市教委生涯学習課TEL963・9283。
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