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「重症児デイサービス」開設・通所で医療的ケアを

2017.9.12(越谷市)
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 重度の肢体不自由と知的障害を併せ持ち、医療ケアが必要な重症児のためのデイサービスセンターがこのほど、越谷市恩間新田オープンした。同市のNPO法人「合」(松實宏理事長)が運営する市内初の通所施設「重症児デイサービス合」。1日の定員5人で、現在、市内の近隣の15人が登録し、毎日2、3人が特別支援学校の後に車いすで通う。重症児の多くが寝たままで、食事、入浴などすべてに介助が必要。重症児デイサービスは、嘱託医などの医療スタッフの配置が義務付けられているため、ニーズがある反面、施設は不足しており、重症児とその家族をサポートするセンターとして注目されている。

 「重症児デイサービス合」は、955平方bの敷地に延べ床面積200平方bの木造平屋建て。国と市から2695万円の補助を得て建設された。放課後に預かる「放課後デイサービス」と日中預かる「デイサービス」の2本立てで運営しており、それぞれ定員は1日5人。主にたん吸引や経管栄養注入などの医療必要な児童で、常駐している看護師、理学療法士、業療法士、保育士がサポートしている。音楽療法による活動や屋外活動も行っている。

 運営するNPO法人「合」の松實理事長(64)は「重症児デイサービスは地域福祉にとって必要な施設で、ニーズがあるため、建設した。県内でも足りない現状があり、医療的ケアが必要な重症児はまだまだたくさんいる。通所する方の様々なニーズに応えたい」と話す。

 同市袋山のパート従業員、吉岡裕美さん(38)は、長女の空虹(あこ)さん(11)(県立越谷特別支援学校6年)を、週2、3回、同センターに通わせている。空虹さんは、胃ろうからの経管栄養、気管切開、経鼻吸引、脳性まひによる肢体不自由で全介助が必要で、車いすで生活している。訪問看護師の紹介で「合」を知り、見学したところ、「部屋が開放的で全体に目が届くのと、自宅と学校からも近いので決めた。もし体調を崩してもすぐに迎えに行ける」と吉岡さんは話す。

 実際に利用してみると、吉岡さんは「公園にお散歩に行ったり、夏にはプール遊びをするなど、自宅ではできない、本人にとって貴重な体験ができるのが、とてもうれしい。私自身もその間に、ほかの兄弟との時間がとれるのでお互いにとって充実しています」と笑顔で話す。もっとも、「ほかの兄弟が急に病院に行かなくてはならなくなった時に、娘をすぐに見てもらえる人がいない」との悩みは解消されていないという。

 同施設の利用料は月10日利用すると、1人月約38万円。利用者は原則1割負担で所得に応じて割り引かれ、残りは公費で支払われる。同市の関根正和・子育て支援課長は「医療的ケアが必要な施設はニーズが高まっている。重症児本人はもちろん、介護・育児している家族に、介護・育児を一時的に代替して、リフレッシュしてもらうこともできる貴重な施設」と話している。
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