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物産販売で復興支援を・東北物産販売会<震災10年>B

2021.2.22(草加市)
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 1月14日、草加市の草加駅高架下の市物産・観光情報センター。サバ、サケ缶や海産物など東北の物産が並ぶ。「みそパンやサバ缶が好きで、ちょくちょく買いに来る」と市栄町の主婦(82)。

 ボランティア団体「東北復興支援の会」が2013年から毎月第2木曜に開く「東北物産販売会」だ。メンバーの池島信子さん(68)は「儲けはなく赤字になることも」と笑う。ほぼ仕入れ値で売るので当然だが、「みんなの支えでここまで続いた。感謝しかない」。
     □  元同市職員の池島さん。震災後、草加に避難してきた被災者約200人と市とのパイプ役となり、避難者の会の立ち上げ、機関紙配布、交流会開催などに尽力した。「知らない土地で心細く思う高齢者らが少しでも元気になれば」の一心だった。

 被災業者らが立ち上げた社団法人から仕入れた海産物や、避難者らの手作り品の販売から物産販売はスタート。風評被害に苦しむ福島の産直野菜も積極的に販売した。

 当初、避難者の交流団体「つながりの会」が市の後援を得て運営した。しかし、避難者の多くを占めた福島県の人たちが帰郷するにつれ、同会は解散。

 池島さんは、夫の庸介さん(71)や元同僚、常連客らと「支援の会」を立ち上げ、事業を引き継ぐ。現在は宮城県石巻市、女川町などから仕入れる。「ひっくり返った交番がモニュメントになっている。現地の復興はまだまだ」。仕入れで現地に入るたびに思う。

 同会代表の沼倉寿男さん(69)(元市職員)は女川町出身。そのつてで同町の特別支援学校が作る「学園カレー」を仕入れたところ、たちまちに人気商品に。「微々たる活動でもふるさとが元気になれば」と沼倉さん。
     □  ピーク時は年間10〜12回開催。昨年は緊急事態で6回だけ。それでも今年1月時点で販売総額は約800万円に達した。

 震災から丸10年目となる3月11日の販売会で、これまでの活動に一区切りをつける。

 「メンバーも高齢化し、ひとまず会としての役目を終えたい」という池島さん。「震災を風化させないために、今後は被災地や活動の歩みなどの展示会を開きたい」と話している。
  (金子 貞雄)
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