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綾瀬川で観光舟奮闘・なかね和舟の会が8年目

2019. 5.27 (草加市)
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 国指定名勝の「おくのほそ道の風景地 草加松原」の脇を流れる綾瀬川で、櫓漕ぎの観光和舟を運営する市民グループ「なかね和舟の会」(田川清会長)が発足して今年で8年目。江戸時代の舟運をしのびながら、小さな”川面の旅”を楽しんでもらおうと活動を続ける。イベントの際には、1日5便フル稼働するほどの人気ぶりだ。後継者の漕ぎ手の養成や、PRの強化など課題を見据えながら奮闘している。

 「まつばら綾瀬川公園」南側の船着場。約10人乗りの和舟(全長約10b)が水面を滑っていく。●●まで往復約3`、40分程度の舟旅。

 かつては、汚濁全国ワースト1の汚名を着せられた綾瀬川。水質改善が進み、汚臭もなく、「今ではベンケイガニやモツゴ、アユなども生息しています」とガイドの声も弾む。草加松原や綾瀬川の歴史の説明を聞きながら川面からまちを眺めるのは、格別の趣きだ。

 「なかね和舟の会」は、市民団体「『今様・草加宿』市民推進会議(現・NPO今様草加宿)」が、「舟運復活で観光資源に」と発案。川沿いの「中根町会」と青年会「中根前進会」の有志約50人が2012年9月に発足させた。

 会員が、東京都江東区の横十間川で活動中の”先輩”の「和船友の会」のもとに月1回通って、櫓漕ぎのイロハから習い、観光舟の運営方法を学んできた。時には綾瀬川で実地訓練も。

 同和舟の会事務局の榎本武彦さん(71)は「櫓漕ぎが難しいのは、強風時や東京湾の潮の干満に影響されること」という。このため、潮目にうまく舟が乗れない時には、モーターも併用している。

 現在、漕ぎ手は40代から70代の8人。最年少の漕ぎ手、外崎勲さん(43)(トラック運転手)はアームレスリングの元日本王者。腕力を生かし5年前から加わった。「初めは左右にぶれて100bも進めなかった。お客さんを乗せると緊張感があるが、舟を操るのは面白い」と話す。

 和舟は、市民の協賛金で制作した「なかね丸」のほか、市所有の「百代」「草加松原」の3艘。協賛金や寄付金で活動費を賄っている。

 練習を兼ねた毎月1回の無料の体験乗船会(市ホームページに日程掲載。詳細は市文化観光課へ)は、将来の漕ぎ手確保の狙いもある。イベント時には、「30分で一日分の予約が埋まる」という。

 会員の高齢化もあり、漕ぎ手や後継者づくりの課題に直面しているが、田川会長(80)は「草加が誇れる観光資源として、市民ぐるみで継続できれば」と市民の後押しに期待をかける。
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