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木造住宅密集地改善・谷塚地区が県のモデル地区に

2018. 4.16 (草加市)
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 県は災害対策の一つとして、燃えやすい木造住宅の密集地域の防火対策「住宅密集地改善先導事業」を昨年度と今年度の2年継続事業で実施し、草加市と上尾市の2市を「木造住宅密集地改善モデル地区」(木密モデル地区)に指定した。草加市は、旧耐震基準の木造住宅などの密集度が高い「谷塚地区」(面積約40f)の約2000世帯を対象に「感震ブレーカー」配布などソフト面を中心とした対策を実施中だ。県は2市の検証結果を踏まえてガイドラインをまとめるが、基盤整備とは別に、火災や延焼をどう食い止め、減災につなげることができるか注目されている。

 阪神淡路大震災(1995)では、木造住宅の密集地域での火災延焼が大きな被害をもたらした。2013年度の県の「地震被害想定調査」では、東京湾北部地震では、出火件数約80件、焼失棟数約1600棟。特に草加市(192棟)、川口市(149棟)など県南東部で多数発生が予測される。

 風速や風向などによる「延焼クラスター(延焼する運命共同体)シミュレーション」によると、草加市は「延焼が50戸以上に広がる地域」と想定されたため、同市は県が公募した「木密モデル地区」に手を上げたもの。

 市は新耐震基準(1981年)以前の古い木造住宅も密集する「市内谷塚町と谷塚仲町・氷川町の1部」(面積約40f)の約2000戸をモデル地区に設定した。同地区は、同市の「都市計画マスタープラン2017−2035」(昨年4月策定)で、「防災機能改善モデル地区」にも位置付けられている。延焼防止の役割を担う都市計画道路「谷塚松原線」の延伸事業も同地区内では未定という現状もある。

 市都市計画課は「旧耐震基準での木造住宅はじめ、袋小路や幅4b未満の道路も多く、公園などの火除け地や、耐火建築が少ない特性がある」地区という。

 阪神大震災では、停電の復旧の際、断線したケーブルに通電して発生する通電火災が多かった。このため、市は昨年度、モデル地区に、震度5強で感知し電源ブレーカーを自動的に落とす「感震ブレーカー」を無料配布し、防災セミナーを実施している。

 同市都市計画課の芝田昌明課長に聞いた。
 ―モデル地区での反応は。
 感震ブレーカーは簡易式だが、日頃の備えとして設置希望が795世帯あり関心は高い。今年度は、設置世帯対象に防災対策についてアンケートを実施する。
 ―モデル地区での今年度の事業は。
 住宅密集地域の危険性を感じてもらうため、街歩きなどを実施し、住民に現状を再認識し議論してもらう。自助、共助の意識啓発などソフト面の対策をしていきたい。
 ―今後の対策は。
 住宅建て替えの際には、網入りガラスや燃えにくい建材や構造の建築にする規制をかける「準防火地域」の指定を促進する。

 【記者の目】「燃えにくいまちづくり」に有効な基盤整備は多額な費用と時間がかかり、住民側の防火対策にも経済的負担が大きい。低コストで即応性のある対策をどう打ち出していくかが、カギとなる。GT(金子 貞雄)
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