写ったぁ

綾瀬川の浮遊ごみ回収・市民団体が処分めぐり平行線

2017. 10.16 (草加市)
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 かつて“全国一汚い川”とされた草加市などを流れる綾瀬川。近年は、下水道の整備などで水質が改善され、「草加松原」の景観と合わせ、観光資源として期待されている。しかし、ごみの不法投棄はなくならず、市民グループ「「草加パドラーズ」(木村高明会長、会員23人)が3年前から、定期的にカヌーを使って、浮遊ごみの清掃をしている。回収ごみの処分は現在、国が行っているため、同グループは「本来、地元の草加市が処分すべき」と訴えているが、市は「処分は河川管理者の国」として両者の主張は平行線のままだ。

 綾瀬川は、国が発表する「全国一級河川水質現況」で、かつて15年連続全国ワースト1(1980〜1994)を記録したほど。しかし、下水道の普及や浄化施設の稼働などで水質は大幅に改善されてきた。しかし、一方で、不法投棄されるごみは後を絶たず、さまざまなごみが水面に浮遊している。

 このため、「草加パドラーズ」は、2014年の「草加松原」の国名勝指定を契機に、同年12月から、定期的にカヌーによる浮遊ごみの清掃活動を始めた。草加松原エリアを主な範囲に、現在、毎週水、土、日曜の午前中に実施しており、昨年1年間(119回)で、45gごみ袋で538袋分のペットボトルや空き缶、不燃ごみなどを回収し、家電や粗大ごみなども引き上げた。

 これらの回収ごみは、当初は会員の自宅などでしばらく保管していたが、その処分について市に打診した結果、現在は国土交通省中川出張所が定期的に処分している。

 この“国任せ”の現状に対して、木村会長(60)は「流域の戸田市などは、市民団体が回収した浮遊ごみを処分している。国任せでなく、自分たちのまちは自分たちできれいにする、草加市のごみは草加市で処分するのが原則だと思う」と地元処理が筋と訴える。さらに、カヌーを川に乗り入れる際の船着き場の鍵の借り受け、返却する負担が大きいため、

市側に善処を求める一方、●●●●の窓口の一本化を求めている。

  同市環境課の冨岡由記子課長に聞いた。

 ――市の不法投棄ごみ対策について。

 関係団体と連携した、定期的なパトロールや投棄防止の啓発運動を今後も継続してやっていきたい。

 ――回収ごみの処分を市が引き受けない理由は。

 土手沿いの清掃活動による回収ごみは、流域自治体同様に市が処分している。しかし、川の浮遊ごみの処分は、河川を管理する国に回収に取り組んでいただいている。

――市民団体の清掃活動に対する市の支援策は。

 川の近くの市有地に回収ごみの保管場所を提供、資源ごみ分別用のかごを貸し出している。船着場の鍵については、安全管理上の課題も踏まえ検討したい。

 記者の目 「草加松原」や綾瀬川周辺は、和舟の就航など観光資源開発も活発化している。地上だけでなく川面もきれいでなければ、国名勝の名が泣く。官民一体のいっそうの連携が必要だろう。 (金子 貞雄)
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