写ったぁ

初年度が利用伸び悩み・パリポリくんバス

2017. 4.17 (草加市)
記事の写真
 交通不便地域解消のため草加市は、昨年4月からコミュニティーバス(『パリポリくんバス』)を試験運行中だ。市立病院、市内駅、公共施設を結ぶ北東ルート(約9`)と、南西ルート(約12`)の2ルートで5年間試験運行し、利用状況を検証して「本格運行」するかどうか検討する。しかし、初年度の利用は思ったほど伸びず、採算ラインからは遠い。その一方で、市内の他地区からもバス導入の請願が2月市議会に出され可決されている。住民の足の確保と採算性のバランスをどう両立していくか、同市のコミュニティーバス政策は難しいかじ取りを迫られている。

 同市のコミュニティーバスは、新里町地区に竹ノ塚駅行きバスしかなく、地元町会が市議会に「市内駅直結バス路線設置」の請願を出したのがきっかけ。

 市は「バス停から約300b以上離れているか、1日12便以下の運行」地域を「交通不便地域」と定義。「公共交通再編計画」(2013年7月策定)にコミュニティーバスの試験運行を盛り込み、要望の多い市立病院を起点に市内駅や公共施設を結ぶ、34人乗り小型バスの2ルート(北東、南西地域を循環するルート)を設定した。

 昨年4月からの試験運行は、東武バスセントラル(本社・東京都足立区)に委託し、経費の50%を上限に赤字分を士が補てんする方式。運行経費の50%を運賃収入で賄うのに必要な乗車人数で、見直しの基準となる「設定ライン」(当初見込み、運行日数で変動)を北東ルートは1便7・6人、南西ルートは12人とした。

 今年3月までの1年間の実績では、北東ルートは、1便当たり平均7・7人が利用し、昨年6月から設定ラインをクリアした。今年1月は7・5人と落ち込んだが、ほぼ設定ラインを達成した。南西ルートは、年間1便当たり平均9・2人で、毎月の設定ラインをクリアできず、今年3月時点では、運行を継続するのには1便当たりプラス2人が必要という結果。朝夕の通勤通学時間帯や、駅周辺と市立病院の利用者は多いが、特に柿木地区(北東ルート)や、見沼代親水公園駅の利用(南西ルート)が少なかった。

 さらに、運行経費のすべてを運賃収入で賄い運行事業者が自主運行できる「目標ライン」(採算ライン)で見ると、北東ルートは1便当たり約15人、南西ルートは約24人が必要なため、現状は採算ベースに遠いのが実情。

 しかし、市交通対策課は「設定ライン50%に対し、現在の収支は約42%。他地域の自治体運行のバスは収支25%前後が多い中で利用度は高い」と見ている。

 市は当面、収支50%以上を目指して、@パリポリくんバスニュースの発行Aイベントや保育園でのバスの乗り方教室Bスタンプラリー、クリスマスイベントなど―の利用促進策を実施する一方、これまで各ルート1台だったラッピングデザインをすべてのバスに施し、「見たら幸せになる緑色バス」(2台)という話題づくりにも力を入れている。

 同課の宮崎嗣久課長は「超高齢化社会の中で、安全に買い物や通院など外出がしやすい生活環境づくりとして、コミュニティーバスを継続維持する必要性がある。さまざまな利用促進策を実施していきたい」と話す。高齢者や幼児を持つ親などにとって、利便性の高いバス運行は必要不可欠だ。本格運行に向け、市民と市が文字通り両輪となった取り組みを期待したい。                          (金子 貞雄)
>戻る