写ったぁ

アフリカの音楽と融合・ワッシー・ヴィンセント・ジュニアさん

2017. 3.13 (草加市)
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 新内流三味線の「名取」として活躍する
ワッシー・ヴィンセント・ジュニアさん 52
       (草加市)

 「まるで日本のブルースだ。魂を揺さぶられた」。スローで、もの悲しい音色を初めて聴いた時の感動がよみがえる。1990年頃、日本の知人の招きで来日した際、たまたま聴いた新内流三味線。

 カメルーン出身で、プロのドラマーとしてフランスなどで活躍していたが、「矢もたてもたまらずに」再来日し、新内流家元、富士松菊三郎さんに弟子入り。草加市内の知人宅にホームスティしながら、東京・浅草の稽古場に通った。

 日本語がわからず、知人に通訳してもらいながらの稽古。それでも「テクニックではなく気持ちを込めることが一番大切だと、師匠が弾く音で教わった」。

 持ち前の優れた音感と努力で、異国の楽器を自在にこなせるようになった。その実力が認められ、2002年、外国人初の新内流「名取」となり、「富士松ワッシー」の名でデビュー。

 「母国の音楽と融合した新しい音楽を」との師匠の勧めで生み出したのが、“アフロ三味線”。「アフリカの音楽や日本の民謡を三味線の独自の曲調で演奏し、日本語やフランス語で歌う」ものだ。先日は、地元草加の文化施設で初めての単独ライブ&トークショーを催し、絶賛を浴びた。

 日本語の先生は、行きつけの居酒屋の客たち。「みんな親切で話しかけてくれるので、自然と覚えた」。客が歌う美空ひばりに感動、ライブで弾いたことも。オリジナル曲は約80曲。演奏を始めて25周年の来年は、CD制作や草加市でのライブを予定。夢は新内流三味線を世界に発信すること。「国境を越えても通用する音楽でみな感動してくれると思う」と確信している。                        GT(金子 貞雄)
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