写ったぁ

大切に思う気持ち心に・「世界から猫が消えたなら」

2017. 3.6 (三郷市)
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 大切に思う気持ち$Sに
 子ども司書1期生 織原 みなみさん(15)
 三郷市立早稲田中学校 3年
 「世界から猫が消えたなら」(川村元気・小学館)

   何かを得るためには、何かを失わなくてはならない。それがこの世界の道理であると思います。

 こんなにも早く1冊の本を読み終えるなんて、初めての体験でした。ページをめくるという感覚ではなく、まるで映像を見ているかのように、目に、頭に、心に入り込んでくる。『世界から猫が消えたなら』は、スッと読み終わるのにグッと心に残る、そんな本です。

 主人公は30歳の僕。ある日突然、脳腫瘍で余命わずかだと宣告されます。病院から帰宅した僕を待っていたのは、自分と同じ姿形をした悪魔。悪魔は「この世界からひとつだけ何かを消す。その代わりに、あなたは1日の命を得ることができる」と取引を持ちかけてきます。みなさんなら、どうするでしょうか。生きるためにモノを消し続けるでしょうか。

 世の中にはたくさんのモノがあふれています。そのどれもが必要であると言い切ることができますか。主人公は、電話、映画、時計……と、次々消していきます。自分に必要の無いモノを消した世界は、一見素晴らしい世界に見えますが、やはりそうではないのでしょう。改めて、自分と他人、周囲のモノの大切さを考えさせられました。

 主人公の母の手紙はとても感動します。母として息子を想う気持ちは愛情に満ち溢れ、本当に大切なモノが何なのかを教えてくれた気がします。私にとって“大切なモノ”の一つになったこの素敵な本。みなさんもこの本を読んで、『大切に思う気持ち』を心に宿してみませんか。
(協力・三郷市教育委員会)
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