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自転車事故賠償に対応・草加市が新保険制度導入へ

2017. 1.23 (草加市)
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 県内の自転車事故“ワースト上位”の草加市は、交通事故被害者へ見舞金を支給する従来の「市交通災害共済制度」を廃止し、自転車に乗って加害者となった場合に最大1億円の対人賠償が可能な、新しい独自の保険制度を来年4月からスタートさせる。見舞金制度を継承し交通事故全般に対応するが、「低額の保険料」で「自転車事故の対人賠償」を盛り込むのが最大の特徴。市内在勤、在学者や家族単位でも加入できる保険とするが、自治体が保険会社と提携して保険を開発するのは全国初の試みという。


 「交通災害共済制度」は車社会の到来で事故が急増した、1965(昭和40)年代から、「被害者救済の見舞金」支給を目的に各自治体が設立、運用してきたが、民間保険の普及と共に加入者が減少し、県内の市直営9市のうち、すでに越谷、川越市など4市が廃止した。草加市は68年度から直営でスタートしたが、加入者はピーク時の市人口の41・4%(84年度)から、17・4%(2015年度)に落ち込み、見舞金額の増加などで収支バラ ンスが悪化し、不足分を市の一般会計から補てんする状態が続き市財政を圧迫している。

 こうした中で、損害保険に未加入の自転車利用者の事故の多発、加害者への高額な賠償請求―といったケ―スが相次ぎ、見舞金のみの共済制度より、手軽に加入できて自転車事故の対人賠償のある保険制度の必要性が高まってきた。

 民間の自転車保険の普及はまだ低いが、同市が交通災害共済加入者600人を対象に行ったアンケートでは、83%が自転車保険の必要性を感じ、48%が実際に加入しているという結果が出た。このため、新保険制度の導入に踏み切ることにしたもので、昨年の市議会12月定例会は、2018年3月での交通災害共済制度の廃止を可決した。

 市は今後、保険会社と協議して制度設計するが、共済と同様に交通事故全般に対応し、これまでの個人加入から家族単位の加入も可能として、市民以外の市内在勤、在学者にも対象を広げる。対人賠償は最大1億円で入院、死亡保険金の支給などの基本プランを設定。保険料も民間の自転車保険の半額程度にし、幅広い補償、賠償を目指す。運営は、市と協定を結んだ保険会社が行い、交通事故防止活動にも協力を要請する。

 18年3月に共済制度を廃止(見舞金支給は20年3月末まで)し、同4月から新保険制度をスタートさせる方針。新保険制度導入に伴い、同市は、横断歩道や歩道などでの「自転車の押し歩きの推進」、警察と連携した「自転車利用者への指導」、「自転車損害保険への加入促進」を盛り込んだ「自転車の安全な利用に関する条例案」を、市議会2月定例会に提案する。

 宮崎嗣久・同市交通対策課長は「新保険制度は、共済の見舞金制度に、自転車損害保険としての要素を盛り込み、交通事故全般に対応した、被害者、加害者の双方の金銭的負担を救済できるものにしたい」と話し、「共済の加入者は約4万3000人。保険料が低額ならば、自転車保険としても加入したい人は増えるはず」と見ている。

 新保険制度と自転車条例を両輪にして、自転車事故ワーストの汚名返上を目指す同市の取り組みに期待したい。
(金子 貞雄)
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