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設置5年、利用わずか25%・災害用「流動食ロッカー」

2016. 12.13 (草加市)
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 東日本大震災を機に草加市は、同市子育て支援センター(市内松原、杉浦めぐみ所長)に流動食や薬剤、診療材料を保管できる「流動食等保管ロッカー」を設置した。利用できるのは、流動食の使用が必要な市内の18歳未満の重症心身障害者の保護者。原則、1人につき1か所利用できる。ところが、2012年7月の設置以来5年経つが、現在利用しているのはわずかに6家族だけ。こうしたロッカーの存在を知らない人も多いためと見られる。“宝の持ち腐れ”にしないためにも、市民の認知度アップが大きな課題となっている。

 同センターが設立された翌年の11年3月11日、東日本大震災が発生した。流動食などの保管ロッカーについては、センター設立前から要望が出ていたが、震災により、「流通網が寸断され、重症心身障害者の流動食の調達が困難になる」との関係者の不安が一気に高まった。

 こうした中で市は、同センター内に流動食ロッカーを設置した。ロッカーは、流動食や包帯、おむつなどを保管する「常温タイプ」(1室・縦40a×横40a×奥行40a、全16室)と、要冷蔵の薬剤などを保管する「冷蔵タイプ」(1室・縦30a×横30a×奥行30a、全8室)の計24室。

 利用は無料だが、危険物などの持ち込み防止や薬剤などの使用期限切れなどの確認のために、品物の出し入れする場合には、センター職員が立ち会い、鍵も同センターが管理する仕組み。県内でこうした機能を持つロッカーを設置しているところは、同センターだけという。

 現在、このロッカーを利用しているのは常温タイプ6室(6家族)、冷蔵タイプはゼロ。同センターが把握している市内の重症心身障害者数は35人(11月22日現在)だから、まだ多くの家族が利用していない。利用が少ない現状について、同センターは、施設の立地場所をはじめ、1年に1度(毎年4月)、利用手続きを更新しなければならない手間、重症心身障害者の保護者の心配度合いなどによるのでは―と推測するが、ロッカーそのものの認知度が低いのも大きな要因とみている。

 同センター職員で保健師の平田まりやさん(29)は「保管ロッカーは万一の時の備え。重症心身障害者の命をつなぐためにも、ぜひ積極的に役立ててもらいたい」と話す。杉浦所長(49)は「センターはキャパシティや体制、資金などにも限界があり、重症心身障害者の人たちに十分な援助が出来なくて申し訳なく思う」としながら、「保管用ロッカーを多くの人たちに役立ててもらうために、今後は市民に広く知ってもらう必要がある」という。災害は突然起きる。まずは周知徹底が急務だろう。
 <問い合わせ>草加市子育て支援センター・総合相談係TEL048・941・6791。メールアドレスkosodate-center@city.soka.saitama.jp(問い合わせ時間はいずれも平日の午前8時30分から午後5時まで)。
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