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農林調整終え事業スタート・「吉川美南駅」東口区画整理事業

2016. 9.19 (草加市)
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 吉川市は、JR武蔵野線の「吉川美南駅」東口地区の区画整理事業を計画しているが、昨年12月からの国の事前調査「農林調整」が終了し、来年7月までに本格的にスタートできる見通しとなった。対象地は約62fで、総事業費約179億円の一大プロジェクト。しかし、市街地整備後の地域のシンボルとして、市が描いている“地域に開かれた(見学などができる)工場”、“水族館や美術館など駅前文化施設”といった構想は、現在のところ、実現性も含めて全く白紙の状態という。

 同駅東口の区画整理予定の62fのうち、農地(水田と畑)は約46f。水田がなくなると、年間約200dの米の減収となるという。

 対象地内の地権者は317人。平均減歩率は約47%で、「地権者9人が事業に反対しているため、今後も丁寧に説明し、理解を求める」(同市都市計画課)という。

 市の計画では、同駅から並木道を整備し、中央にセントラルパーク(公園)を造って「憩いの庭」とし、多目的の調節池も整備する。駅前には商業施設、娯楽施設や子育て施設なども設ける。北側は、「産業ゾーン」として、新たな産業や雇用を生み出す施設(企業)を誘致する。さらに、沿道には、街歩きで立ち寄れるカフェや飲食店などを設けて地元の魅力を発信し、全体に「回遊性」を持たせ、住民が楽しめる空間を創出する―といった青写真を描いている。計画人口は約4400人。

 しかし、シンボルとする「地域に開かれた工場」「駅前の文化施設」について、「現在、具体的なメドはない。今年度中に企業に対する立地意向調査を実施し、調査結果を踏まえ、積極的なアプローチを行って誘致に結び付けたい」(持斎康弘・都市計画課長)と話す。意向調査は国内約1000社を対象に実施する計画という。

 国の調査終了により、今後は都市計画法に基づく手続きなどを経て、来年7月までには事業を本格スタートできる見込みだ。

換地設計、仮換地指定、盛土工事、道路や下水道などの造成工事を対象地のブロックごとに進め、早いところでは、2021年の一部完成を目指している。事業期間は10年の予定。計画通りに土地利用(住宅、企業など)された場合、年間約5億円(固定資産税、都市計画税、住民税)の増収を見込んでいる。

市は今後、約179億円を投じ、新しいまちづくりに取り組む方針だが、沿線には、「越谷レイクタウン」や「ららぽーと新三郷」がある。既存の一大集客施設に埋没しないために、新しいまちの魅力あるシンボルをどう実現していくか、一層の知恵と工夫が求められそうだ。
  (安部 匡一)
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