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3歳児以上の受け皿不足・「小規模保育所」との連携課題

2016. 8.15 (越谷市)
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 待機児童解消が課題となっている中、昨年度スタートした国の「「子ども・子育て支援新制度」により、0〜2歳児対象の認可された「小規模保育所」が増え、全国的にニーズの多いとされる0〜2歳児の受け入れ施設は一定程度確保されつつある。しかし反面、3歳児以上の受け皿不足は解消されず、0〜2歳児の保護者らからも、「3歳になれば、また別の保育所を探さなければならない」との不安の声があがっている。この“3歳の壁”について、 行政当局はじめ保育現場や保護者らはどう向き合っているのだろうか。越谷市の現状を見た。

 待機児童解消を目指す“新制度”により、越谷市内では昨年度から、29か所の「小規模保育所」がオープンしている。従来、「家庭保育室」などと呼ばれた無認可施設でも、面積や設備、保育士数など一定条件を満たすと、「認可施設」となり、行政の支援を受ける(人件費などの運営費補助)ことができる。総定員は488人で、7月1日現在、461人が通う。
 これまでの不安定な運営も公費補助により、経営が安定化し、保育料の保護者負担も軽減されるため、小規模保育所は急速に広がり、0〜2歳児の受け入れ先が拡大した。
 同市レイクタウンの大相模調節池近くの「モンクール.保育園V」(福島ゆかり園長)は昨年4月、開所した。定員は19人で、現在定員いっぱいの0〜2歳児園児が通う。

   子どもを預ける、パート従業員、中村千絵さん(34)は「小規模保育所は、家庭的な雰囲気で過ごせるという利点がある」と歓迎する。しかし、小規模保育所は制度状、3歳児以上は、預けることができないため、中村さんは「3歳になると別の保育所を探さなければならない。就学前まで通える保育所を増やして」と訴え、同じく会社員、長谷川謙治(37)も「5歳まで預けられる確証がなければ、働きに出るのは困難だ」と不安を隠さない。

   国の“ガイドライン”は「児童の卒園後も継続的に保育を受けられるように、連携施設を確保しなければならない」とし、「連携先の確保」を小規模保育所側にゆだねている。
 これに対し、同園統括部長の小森秀彦さん(36)は「新たに参入した施設が、既存保育園と連携協議をするのは困難。行政に調整をしてもらわなければ」と話す。既存施設側からは、「園庭開放や合同保育、保育士派遣などの後方支援には、既存施設の負担が大きく現状では困難だ」=『のーびる保育園』総園長の松本實さん(68)=といった疑問の声も出ている。
   こうした状況に同市は、「小規模保育所から3歳児以降も関連施設にスムーズに移行できる施設間の連携が課題と認識している」(同市の斎藤美子・子ども家庭部長)とし、「今後、市内の私立幼稚園を中心に働きかけ、連携施設確保の取り組みを進めたい」と話している。小規模保育所が、真に待機児童解消に効果をあげるには、“民間任せ”ではなく、行政の積極的な施設間調整が喫緊の課題となっている。
(安部 匡一)
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