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「当事者目線で共に考える」・ひきこもりサポートセンター開設

2016.1.18 (越谷市)
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 “ひきこもり”の若者らを対象とした相談窓口が、昨年11月、越谷市の東武・せんげん台駅東口に開設された。「県ひきこもり相談サポートセンター」で、ひきこもり専門の窓口は、さいたま市に次いで2か所目。県設置の窓口としては初めてとなる。ひきこもり支援活動に実績のある、同市内の認定NPO法人「越谷らるご」が県の委託を受けて運営している。オープン以来、100人を超える人たちが訪れており、センタースタッフは「焦らず、当事者目線を大事しながら対応したい」としている。

 ひきこもりの相談窓口は、県内ではさいたま市が2013年1月に設置した市ひきこもり相談センターに続き、2か所目。ひきこもり相談はこれまで、伊奈町の県精神保健福祉センターや各地の保健所が心の健康や悩みに関する相談業務の中で行っていたが、「ひきこもり相談の窓口が分かりにくい」との指摘があった。厚労省の2010年の調査では、県内の15歳から39歳のひきこもりは推計で3万9500人に上る。
 そこで、県は「ひきこもりの長期化を防ぎ、早期解決を図るには若年層の相談体制を手厚くする必要がある」と判断。「越谷らるご」はフリースクールのほか、「生きづらさを抱えている若者の居場所」として、「ほっとりんご」を20年以上も実施してきた。この実績が買われ、「越谷らるご」に白羽の矢が立った。
  越谷らるごは、不登校の子どもを持つ親らが中心となり、1992年に設立。現在、自立援助ホーム「ゆらい」も運営。長年、不登校やひきこもりの若者の相談を行ってきた。県からの年間委託料は766万円。専従のスタッフ3人で相談に当たる体制を整えた。

  相談員の一人、木村量子さん(62)は「ひきこもりには特効薬のような解決策はない。すべて本人次第。親子関係を大事に、お互いに会話ができる家族環境にすることが大切。家族関係が壊れていると解決策はない。実際に相談を受けてみると、若者ではない、40歳代の人が多いことが分かり、驚いている。私たちはまず、話を聞くということを心がけています」という。
  木村さんは現在20歳代の3人の娘が小学校から不登校を経験。フリースクール「りんごの木」に通うようになり、ほかの不登校の子どもたちともふれあうようになった。長年の経験が買われて、らるごから声がかかった。

  同じく、相談員の阿部啓司さん(53)は「私たちに相談することで、すこしでも親や当事者の方の気持ちが楽になれば」という。
 11月に開所後、11月は35人(男24、女11)、12月は87人(男66、女21)と増えてきており、今後ますます増えそうだ。事務長の鎌倉賢哉さん(42)は「焦らず慌てず、当事者目線を大事にしたい。話しやすい環境をつくり、気持ちの拠り所となれば」と話している。越谷らるごの理事長、増田良枝さん(66)は「私たちのできることは『一緒に悩んでいく』こと。話を聞いてあげて孤立しないようにサポートしていく」という。

  同センターは、全県が対象だが場所が東部にあるため、北部の熊谷や秩父地方は相談に訪れにくい。越谷を拠点に「相談ネットワーク」をつくる必要がありそうだ。
 (安部 匡一)
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