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「自転車条例」で汚名返上へ・自転車事故県内最悪の八潮市

2015.12.21 (八潮市)
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 八潮市は、人口1万人当たりの自転車関連事故の死傷者数が3年連続で県内ワースト1を記録した。このため、事態を重く受け止めた市は、自転車事故に歯止めをかけるため「自転車の安全な利用の促進に関する条例」案を市議会12月定例会に提出し、18日可決された。市は同条例を核にして、草加署、交通安全関係団体、市民、自転車利用者、事業者らと連携して、本格的な事故防止対策に乗り出す。

 同市の自転車関連事故の死傷者数は、2012年が215人、13年が211人(うち死亡者3)、14年が195人(同1)と、人口1万人当たりでは、“3年連続ワースト1位”となった。今年も10月末現在で148人と不名誉な“独走”が続いている。  年齢別(昨年の統計)では、15歳以下が12%、高校生11%、高齢者15%と、子どもと高齢者の占める割合が大きい。事故の主な原因は、わき見運転や傘さし運転、スマートフォンを見ながら―など。

   市交通防災課は、「街路が平坦でコンパクトな八潮市は、自転車が移動手段として使い勝手が一番良いため」と分析する。同市は通勤通学で自転車を利用する市民が多く、車や鉄道などを合わせた交通手段の中で自転車の割合は30・3%を占め、県平均の20・6%を大きく上回る。  県の「自転車安全利用重点推進市」に指定された2012年から、市は路面標示や、中学生、高齢者向けに自転車交通安全教室(子供自転車免許証発行)などに力を入れ、中学生には一定の効果はあがったものの、大きな歯止めにはなっていない。

 市は改正道路交通法や県条例施行などを機に、市条例化で自転車事故撲滅を目指すことにした。条例案には、@市や市民、事業者などが安全対策に努める責務A自転車の安全な利用の促進に関する基本事項B事故防止はじめ安全対策を総合的に進める―ことを明記。市独自に「自動車等の運転者の役割」として、「自転車の側方を通過する時は、安全な間隔を保ち、または徐行する」など安全に配慮する項目を入れたのが特徴だ。  市はカーブミラーや凹凸道路の解消、照明、道路標示などの整備も重点的に行い、県道の交差点など事故多発場所の対策、小中学生以下と高齢者のヘルメット着用推進のため助成金などを検討していく。

   大山忍市長は「自転車利用者による加害者が増加し、交通モラルが低い部分もあるが、交通環境の整備や市民意識の向上など市民総ぐるみで、自転車事故を減らしていきたい」という。  市交通防災課は今後も、市民への意識啓発、交通モラル順守、モラル向上のための講習会などにも力を入れる方針という。  同市が自転車事故ワースト1位を返上するため、条例と両輪となる施策をいかにして打ち出せるか注目される。                       (金子 貞雄)
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