写ったぁ

細川紙生かし独自のアート・渡会不二男さん

2015.12.7 (越谷市)
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 「まさか自分がもらえるとは思わなかった。受賞を機に特殊な技術を多くの人に知ってもらいたい」  手すき和紙「細川紙」の特徴の長い繊維を生かし、筆のような風合いを生み出すちぎり絵「和紙ファイバーアート」は、渡会さんだけの日本で唯一の技術。作品は“風雪に耐える樹木”など自然の厳しい環境を表現しているが、樹木の質感は見るものを圧倒する。

 和紙をちぎって繊維を引き出し、のり付けして何枚も重ね、色の濃淡、変化、陰影などの変化をつける。根気のいる作業で、のりと手、指以外の用具を一切使用しない。和紙を重ねることで立体感が生まれる。  元乳業メーカーの社員。営業先の小川町で手すき和紙と出会って感動し、年間勤めた会社を定年前に辞め、創作の道に。幼い頃から水彩画を描いていたのと、今は亡き妻、福子さん(享年65)が、ちぎり絵をやっていたため、自然と和紙を使う芸術の道に入った。独学だが持ち前のセンスで独自のアートを磨いてきた。

 「制作者の前に創作者でなければならない。もし美術を専門に勉強していたら、この芸術は生まれなかった」  一昨年、県から「彩の国優秀技能者」を受賞した。「アートは、生涯の仕事として妻が残してくれた遺産」と笑う。今、チャレンジしているのは残雪の八幡平の原生林の風景。「厳しい環境の中での自然に興味がある。生涯現役です」と創作意欲は尽きない。
                               GT(安部 匡一)MN
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