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中核市になってどこが変わったの・「保健所」など利点周知を

2015.11.16 (越谷市)
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今年4月、「中核市」に移行した越谷市は、県から2024項目もの事務移譲を受けたものの、市民からは「どこが変わったの」との声もあり、中核市の意義、利点が十分市民に浸透していない。このため同市は、「市保健所の開設」や「身体障害者手帳の交付など福祉サービスのスピードアップ」など中核市ならではのメリットを市民に分かりやすく周知していきたいとしている。しかし、保健所スタッフの充実など今後の課題も多い。

 「中核市」は政令指定都市を除いた、人口30万人以上の都市を対象に1994年の地方自治法改正によって創設された制度。従来、県が行っていた市民生活に身近な福祉や保健衛生、環境、都市計画など多くの事務権限が移譲され、市の自主的・主体的な判断で運営できるのが特徴。越谷市は全国44番目、県内では川越市に次いで2番目の中核市になった。
 同市は2010年から移行の準備を進めてきた。移行の効果について、同市企画部はまず「市民サービスの向上」をあげる。市が窓口になって申請を受け、県が内容を審査・決定するという二段階の事務手続きが一括でできるようになり、例えば、「身体障害者手帳」の交付には従来は60日もかかっていたが、中核市となり30日で交付できるようになった。
 また、「保健所開設による地域保健行政の拡充」でこれまで主に県が行ってきた、食品衛生・環境衛生、医事・薬事など専門的な分野について、市が総合的に取り組めるようになり、「飲食店の営業許可」「イヌ・ネコの引き取り」「理容店や美容室の開設届出の受理」「診療所・助産所、薬局の開設許可」など幅広く市が行うことができる。
 さらに、産業廃棄物処理業について、市が審査して、許可し、立ち入り検査や指導も行うことができるようになった。
 立澤悟・企画部長は「中核市のメリットとして、生活の質の向上があげられる。特養ホームなどの監督権限を持ち、施設運営やスタッフの処遇改善にも意見を述べることができ、利用する市民の安心感につながる。また、不法投棄のパトロールを強化して、市が直接指導できるようになり、生活環境の向上も期待できる」という。
 一方で保健所の開設に伴い、「医師や獣医師、保健師、精神保健福祉士など専門職の確保が課題となってくる」とし、「一般職員も、福祉や税など高度で専門性を持った職員を育成しないと、市民ニーズに応えられない」と話している。
 専門職員の確保のための人件費など財政負担は約12億円にのぼり、これに見合った歳入の確保も必要だ。こうした課題に取り組む中で、市は今後、市民への周知をいかに図っていくか、サービス向上をどうアピールしていくかに注目したい。
(安部 匡一)
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