写ったぁ

篠田 照夫さん・敬老の日に肖像画を贈り続ける

2015.10.12 (吉川市)
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 「『絵のおかげで長生きしています。ありがとう』と言われるのが、何よりうれしい。励みになります」。
 敬老の日が来ると、篠田さんが描いた油彩の肖像画が地元の元気な高齢者宅に届く。毎年2人ずつ、26年間続く。今年で計56人にのぼるが、もちろん無償である。
 全日本肖像美術協会副会長を務める肖像画界の文字通りの重鎮で、ノーベル平和賞を受賞したダライ・ラマ14世を描いたこともある。
 1989年、当時の吉川町の深井誠町長に「画家として、町に貢献したい」と、肖像画の寄贈を提案したのが始まり。対象となるお年寄りは、行政側が「元気な人」を基準に選んでいる。
 手元に届いた写真を見ながら描くが、「「その人の人生観や、どのような人生を歩まれてきたかを思いながら描いています」という。特に「表情から読み取れる性格、魂といったものを絵に込めるようにしています」。
 長崎県雲仙市出身。幼い頃から絵が好きで、高校卒業後、神奈川県横須賀市の親類の牛乳販売店では働きながら、近くの絵画教室に通った。1972年、画家として独立し、72年に吉川市に転居した。
 年間50人の肖像画を描く。これまで、全日本肖像美術協会展で、最高位の総理大臣賞を受賞するなど数多くの受賞歴がある。「毎回モデルの人物が異なるため、その都度、気持ちがリセットされる。一生描き続けます」と静かに情熱を燃やす。
 (安部 匡一)
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