写ったぁ

感情豊か「夏の森」・花ものがたり

2015.9.7 (越谷市)
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 夏の森は鬱蒼とした薄暗い世界だ。光を受けようと木々が一斉に活動を始め、梢の隅々まで広げて厚くなって葉が、地面に降り注ぐ光量を減らすからだ。
 俳句の夏の季語「木(こ)の間(ま)」闇(やみ)」の世界観だ。怪しげなこの季語は、ただただ緑陰深い闇に潜む何かを見させよう、感じさせようと想像力を刺激する。木の間闇が発する言霊が聴こえるだろうか。そこに棲む精霊を見つけることが出来るだろうか。
 勇気を出して、そっと「木の間闇」と呪文を唱えるように呟いてみよう。一条のスポットライトが照らす木の間闇に浮かぶ野草は、その瞬間に森の化身か妖精に見えてくるかも知れない。
 ザワザワと一陣の風に揺れる葉擦れの音にハッと振り向く研ぎ澄まされた感性は、揺れる小枝の先に止まった眼で、ありふれた光景を情感豊かな表現に仕立ててくれるだろう。
 薄暗いだけだった森はその時、あなただけの魅力ある豊かな新しい森に変身する。
 (写真と文・アリタキ緑の会)

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