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栽培追いつかず苦情も・越谷いちごタウン

2015.5.18 (越谷市)
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 越谷市が農業振興と観光の目玉として、今年1月にオープンした、観光農園「越谷いちごタウン」が開園4か月で2万3212人が訪れ好評だ。イチゴ狩りの大型施設で休日ともなると1日600人以上が訪れている。一方、あまりに好評なため、イチゴの栽培が客足に追いつかず、開園30分で入場できなくなる日があるなど来場者からの苦情もある。運営は生産者でつくる「越谷いちご団地生産組合」(木村友和組合長)で、同組合では「毎日の栽培のコントロールの難しさを実感した。来シーズンは受付などを効率化して、安定した栽培方法を模索していく」と課題解消に向けて動き出した。

 イチゴ狩りが楽しめる「越谷いちごタウン」は首都圏で最も大型の観光農園として、県外からも多数訪れる観光施設だ。越谷市増森の市農業技術センターに隣接する場所で、同市は農地約1・9fに、温室8棟を建設した。事業費は約2億5000万円(温室整備工事費、温室内のイチゴ高設栽培設備・暖房購入費など含む)。市は8棟のハウスを4軒のイチゴ生産者に貸し出し開園した。
 栽培品種は紅ほっぺ、章姫、彩のかおり、かおり野、やよいひめ、とちおとめの6種類。1時間の食べ放題で小学生以上1600円(1月〜4月7日まで2100円)、3歳以上就学前まで1000円(同1200円)。開園4か月で来場者は2万人を超え、売り上げも4700万円を超えた。
 組合長の木村さん(60)は「今年は1、2月の気温が低く、イチゴの作柄はあまりよくなかった。品種によって実のなる時期が違うため、6品種が揃わない日もあった。予想を上回る来場者に入場制限した日もあり、課題を残した。まずは生産量を増やし、安定化させることが必要」と今期を振り返る。特に寒い1、2月に来場者が集中することも分かり、来期(来年1月以降)への対応を考える。
 また、入場受付(入場券販売)を組合の人がやっているため、ハウス内での対応が手薄になるなどの課題もあり、来期から入場券の券売機を設置することも決めた。木村さんは「6品種のうち、一番人気は『彩のかおり』。開花のサイクルが遅いため、生産量も少ないというデメリットがある。今後は面積を増やすなどして、ニーズに応えられるようにしたい」という。
 新たな取り組みとして、越谷産の「彩のかおり」を使った加工品「彩のかおり うさぎクリーム大福」(6個入り、864円)を製菓メーカー「長登屋」(本社・名古屋市)と一緒に開発し、5月3日から、「いちごタウン」と高速道路の東北道「蓮田SA」、外環道「川口PA」で販売を始めた。「多くの人に越谷産イチゴを知ってもらえたら」と木村さんは期待を込める。
 越谷市農業技術センターの野口裕子所長は「いちごタウンでの入場ができない場合、市内のほかの農園を案内している。生産者同士のネットワークで、臨機応変に対応している。今後はイチゴだけでなく、収穫体験できるミニトマトの試験栽培も始めており、幅広いニーズに対応していきたい」と話している。
 近くには大型商業施設イオンレイクタウンもあり、県外からの来客も多い。「イチゴ狩りをして、市内でイチゴのスイーツなど加工品を飲食してもらう仕組みにも取り組みたい」と木村さんらは準備に余念がない。観光施設としてさらに発展するには、異業種とのコラボも一つのアイデアかもしれない。
 (安部 匡一)
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