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「雛めぐり」など好企画相次ぐ・市が地域活性化へ民間活用

2015.3.16 (越谷市)
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昭和40年代のにぎわいを復活させたいと、越谷市は越谷駅東口周辺を国の「中心市街地活性化法」に認可してもらい、市街地を開発しようと同活性化の「基本計画」を2013年1月にまとめ、準備をスタート。同市環境経済部では「2年後に国の認可を受け、2015年度からの実施を目指す」としていたが、対象地域の「越ヶ谷地区」の人口が同駅東口再開発の完成後、約2年で1000人以上も増えているため、国の認可が困難になった。認可されれば同地域の開発にかかる費用の一部が国から補助金が得られるなど、メリットはあるが、同市では「雛めぐりなどの民間でのイベント開催などが活発化しており、今後は市独自で、民間の動きをバックアップしていく」と方向転換した。しかし、道路整備など行政の課題もあり、官民一体となった「越谷の顔」作りが課題になっている。

 中心市街地活性化法は、街の中心街活性化実現のため、内閣総理大臣が認定する国の支援制度。法律や税制の特例や補助事業により、重点的に支援を実施する。県内では川越市だけが認定されており、全国的にもハードルが高いとされる。
 越谷駅東口周辺の市街地も、モータリゼーションの進展やライフスタイルの多様化に伴い、郊外への大型店の出店が進み、中心市街地の商業が活力を失ってきた。こうした閉塞感を打破しようと仕掛けたのが、2012年7月に地元越ヶ谷地区の商店主と市が共同でしかけたイベント「第1回日光街道宿場町サミット」だ。
 このイベント開催を機に、地元商店主らで「越ヶ谷宿の雛めぐり」「甲冑めぐり」などを企画。3年目を迎える「雛めぐり」はすっかり近隣住民に浸透し、今年の2月28日と3月1日の2日間で、3000人を超える市民が訪れた。雛人形の展示か所は52軒にも上り、街を歩く人の目を楽しませた。今年は特に蔵を持つ地元住民が蔵を開放し、古い雛人形を展示して話題になった。
 イベントの仕掛け人の一人、新町商店会で日用生活品店を経営する井橋潤さん(50)は「この3年間、雛めぐり、甲冑めぐりなどの催しが定着する中、まち歩きマップ作成などの新たな柱となるような事業もできた。まだ、まちとしての経験が不足している。地道に事業を重ね、視察や勉強会を並行し、組織力強化に努めたい」と話す。
 同市では、中心市街地の区域を元荒川や葛西用水の自然資源や越ヶ谷久伊豆神社を生かし、市街地内の回遊性を強化するため、同神社周辺も加えた越谷駅の東側約78fとした。基本テーマは「水辺を生かし 越ヶ谷宿の歴史が息づく 暮らしやすいまちづくり」。
 同市の長柄幸聖環境経済部長は「越谷駅東口再開発を機に、人口は伸びており、活性化のチャンスだ。国の補助は得なくても、市独自で街の活性化を目的にしたイベントへの支出など、積極的に支援していく」と前向きだ。イベントなどソフト事業への支出は2013年度268万円、2014年度は668万円と伸びている。
 課題はハード面だ。旧日光街道は県道として、幅員が狭く、歩道が狭いのが難点。これを一方通行化し、歩道を設けようとのプランもあるが、費用がかかるのと、「賛否両論」があるため、議論が進んでいない。
 高齢化社会を迎え、普段の買い物や役所への用事、医療機関への通院など徒歩で移動できる社会、コンパクトシティを目標にしている。そのためには歩道を含めた道路整備のほか、空き店舗対策などさまざまなことに取り組んでいくことが重要だ。
 (安部 匡一)
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