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築30年以上が全体の6割・公共施設マネジメント

2015.2.16 (八潮市)
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 八潮市は、道路や橋、上下水道などのインフラ施設を含めた市内公共施設の現状や課題、今後の維持更新に必要な費用の試算などをまとめた「公共施設マネジメント白書」を作成、このほど市ホームページなどで公表した。予想以上に公共施設、インフラ施設維持に今後、巨額の経費はかかることや市民ニーズに合わない施設があるなどの実態が浮き彫りとなった。市は課題解決に向けて、基本方針を今年度内にまとめ、基本計画、アクションプラン(実施計画)は27年度から取り組み28年度内に策定し、随時、実行していく。

 白書は、各自治体が近年、実施している、「アセットマネジメント」(公共施設資産を費用効果が高く、効率的で適切な管理をすること)に基づき、同市が一昨年11月から、現状や課題を調査しまとめた。公共施設の質・量を見直し、安全安心のための長寿命化や耐震化を計画的にすすめる。民間ノウハウの導入なども視野に、集約化や複合化もすすめ将来的に資産の総量や経費の圧縮を図ることが目的。
 白書によると、市内には、昭和40年代に造られた施設が多く、建築後30年以上経過している施設が全体の6割を占め、145施設中22施設が耐用年数を経過し老朽化の問題に直面している。
 既存施設の経費を試算したところ、現状のまま維持していくと、今後40年間で公共施設は約767億円、インフラ施設は約921億円の経費がかかり、総額は1688億円にのぼる。年平均で、約42・2億円となり、近年10年間の大規模補修工事などの社会資本整備に要する市の経費は年間30から40億円で推移しており、これを超えることがわかった。
 大山忍市長は「膨大な維持更新額に強い衝撃を受けた。厳しい財政状況の中で、どのように施設の安全性を確保し、適切に維持整備していくか。これまでの固定観念に縛られることなく、将来をしっかりと見据え、市民とともに今後の公共施設のあり方について考えていきたい」という。
 白書により浮かび上がった課題は、まず市庁舎はじめ学校や保育所など多数の施設で老朽化が進み、耐震診断や耐震補強が十分に行われていないこと。劣化診断も未実施が140施設にのぼり、長寿命化のため診断実施が必要としている。
 施設の適正配置については、最も高齢者人口が多い、八幡地域に高齢者施設がなく、幼児人口が最も多い潮止地域の幼児一人あたりの保育所面積が八幡地域より狭いなどの実態もわかった。公共施設の平均利用率は文化施設45・9%、集会施設23・5%、高齢者施設44%と低く、時代の変化と共に市民ニーズに合わなくなった。市は、駅周辺の土地区画整理事業などから、しばらくは人口増が見込まれ子育て、教育関連サービスの充実が必要とみている。
 市財政課アセットマネジメント担当は「これまで担当部署が個々に行っていた施設の維持管理を全庁的な視点で行う必要がある。定期点検や必要に応じて実施していた修繕、補強、建て替えなどの工事は優先順位をつけ、計画的に行うことで経費節減につながる。まちづくりとも連動し、市民との合意形成を図りすすめていきたい」という。
 厳しい市財政の折り、経費節減は必須事項。老朽化の問題と向き合いながら効率よく、市民ニーズに合った施設の維持をしていくか、市の手腕が問われることになる。T(金子 貞雄)

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