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補助減額に戸惑う関係者・制度刷新迎える「認定こども園」

2014.9.15 (松伏町)
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 来年度から幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「認定こども園制度」が刷新されるのを機に、国の補助金が減額となる可能性が出てきたため、こども園関係者に戸惑いが広がっている。NPO法人全国認定こども園協会(若盛正城会長=松伏町こどものもり園長=、加盟487施設)が独自に調査したところ、会員施設の25%が「認定返上」を検討していることが分かった。国の補助金の算定額の基準となる「公定価格」が未決定で、「本単価」の発表が10月以降になるため、早くも全国の私立幼稚園では園児募集が始まっており、その対応に混乱する地域も出てきている。待機児童解消の切り札として期待された同園だが、もし返上が相次げば、地域の子育て支援事業が後退してしまう。
 認定こども園は現在、幼稚園と保育所の両制度から補助を受けているが、来年度から補助や施設基準などが一本化される。子ども園になる幼稚園や保育所を増やすため、制度の垣根をなくすのが狙い。しかし、内閣府が5月末に、来年度以降に施設が受ける補助金の公定価格案を示したところ、小規模施設に配慮したためか、園児数が多い園ほど補助額が減額されることが分かった。
 全国に1359園あるこども園のうち、345園が加盟する同協会が7月に緊急調査を実施したところ、回答した201園のうち、25%にあたる50園が「認定こども園をやめて幼稚園か保育所に戻る」ことを検討中と答えた。国はこれまで、すべてのこども園が新たなこども園制度に移ると想定してきたが、同協会の調べでは「大規模なこども園で返上を検討する動きが目立つ」という。
 これまで、認定こども園では、文部科学省から支給される「私学助成援助金」や保護者の所得に応じた「就園奨励金」などが支給されてきた。これらの総収入合計額と、今回国が算出した「公定価格仮単価表」での試算とでは、その合計額が減額になる例が多数あり、一部の認定園では、認可を返上していかざるを得ない状況が出てきている。
 このため、同協会では「新制度移行が現行の認定こども園に不利にならないよう、運用面でも財政面でも現行水準が維持してほしい」趣旨の「要望書」を8月上旬に内閣府に提出した。若盛会長は「公定価格への疑問や自治体の対応を含めて、制度について詳細な説明がないままの状況に多くの園が不安を持っている」と話す。これを受けて国は8月末に、全国の認定こども園を集めて初めての「説明会」を開いた。しかし、まだ「説明不十分」との声が多いことから、今月18日にも第2回の説明会を実施することになった。
 若盛会長が設立運営する「こどものもり」は埼玉県内初の認定こども園として2008年からスタート。当時は幼稚園と保育所の2つの認可が必要で、親が働いていなくても子どもを保育できる「幼保連携型」と呼ばれるスタイルで運営している。幼稚園と保育園との仕切りをなくし、昼食も一緒、異年齢保育を行うなどが特徴だ。若盛会長は「園を学校や施設ととらえるのではなく、0歳から就学前の親の就労にこだわらない温かな家族のように育ちあう一軒の家と考えています。幼保連携の効果で、子どもたちも刺激を受け成長しているようです」と効果を話す。
 来月にも公定価格が正式に決定するが、財政面での支援は、こども園を運営する基礎となるだけに、原則に立ち帰っての施策が必要なのではないだろうか。
 (安部 匡一)
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