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駅に花を生け続け40年・久保 和子さん

2014.2.3 (越谷市)
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 「暗い駅に花を飾って明るくしたい」との思いから、1971年から現在まで、40年以上、自宅近くの東武線「蒲生駅」構内に生け花を飾り続けている。13歳で故郷・青森県八戸市で華道を始め、結婚後、29歳で夫の転勤で越谷に。社宅で近所の主婦たちに華道を教えるようになったのが、越谷での指導の始まりだ。
 東北なまりの優しく明るい言葉と表情が受けたのか、地域の婦人会から声をかけられ、1965年から市内の公民館の華道講座の講師となり、現在も指導を続けている。東武鉄道が高架になるのを機に当時の市長に掛け合って駅舎内に生け花を展示するスペースを市内4駅につくってもらった。
 花は一週間ごとに代えるが、花を生けていると通勤・通学の人から「きれいな花ですね。何という花ですか」と声をかけてもらうのが何よりの生きがい。越谷市華道協会会長として1994年から5年間務め、現在は同協会相談役。市内千間台中学校華道部顧問として生徒の指導にもあたっている。昨年4月には米・カーネギーホールのイベント「生け花パフォーマンス」に出演し、舞台で生け花の実演をして大好評だった。これまでの地道な文化活動が評価され、今年度の「埼玉県文化ともしび賞」を受賞した。
 50代で胃がんを患い、闘病し胃を摘出した。最愛の夫も3年前に亡くなり、花と向き合う日々。「人生いろいろありますが、花に癒やされ励まされた。八戸の生け花の先生との交流は60年以上も続くなど、周りの人との出会いに恵まれました。花の魅力は『無』になれること。生涯、花は続けていきたい」。花と共に歩んだ人生。日本文化を国内外に伝えていく。
  (安部 匡一)

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