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越谷に見る「心のケア」の現状・檜垣さんが「こころ相談室」を開設

2013.11.18 (越谷市)
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 うつ病などの「心の病」を持つ人が激増し、年間自殺者が3万人を超えているが、これらに対応し、心理面と身体面の双方から問題解決の手伝いをしようと、越谷市宮本町に「さわやかこころ相談室」が開設された。専門のカウンセラーが本人や家族から悩みや心配事などの相談を受け、カウンセリング。「職場の人間関係」や「近所のトラブル」など身近で深刻な問題について親身に相談を受けるもので、現在、20代から70代の15人が通っている。増え続ける「心の病」に対し、問題解決の糸口になるようだ。増え続ける「心の病」の対応の現状を見る。

 同相談室を開設したのは、元越谷市立病院看護師の檜垣貴津子さん(63)。小児科や脳外科、救急外来などを担当し、「がんの告知」など深刻な状態を医師と共に説明するとき、「患者や家族は大きなショックを受けている。その後の精神的なフォローの仕方が分からなかった」と悩み、「心理面の勉強が必要」と考え、今から10年前に30年勤めた病院を退職し、立正大学心理学部に入学し4年間、心理学を学んだ。産業カウンセラーや認定心理士の資格を取得し心理カウンセラーとして、2008年から、市役所職員などを対象とした研修や相談業務などを独自に行ってきた。
 今年4月に相談室をオープンすると、20代から70代まで幅広い年齢層からの相談が来た。話を聞き、個々に応じたアドバイスをする。檜垣さんは「職場での人間関係のストレスから、うつになる人が多い。近年の企業の『成果主義』による歪みが見られます。気分が落ち込み憂うつな気分になったら、早いうちに相談にきてほしい」という。
 ストレスをためない生活を送るためには「自分の性格を知り、がんばりすぎないこと。愚痴を言えたり、弱音をはける相手をつくり、一人で考え込まないようにして」と檜垣さんはアドバイスする。なお、カウンセリングは有料で30分4000円から。問い合わせは同相談室(TL965・1890)まで。
 一方、越谷市役所職員2514人のうち、昨年度、「うつ病」などの精神疾患で1か月以上休んだ職員は36人。2010年度は22人だったが、年々増加している。90日を超えると「休職」扱いになり、最長で3年間とれるが、それまでに復職を断念し、退職するケースが多い。年齢層は20代から50代まで、まんべんなくいるのが特徴。同市はこれらの「心の病」に取り組もうと、今年度から新たに「安全衛生管理課」を設けて、主に職員の「心の健康」についてフォローしている。
 年々、「うつ病」による長期休暇者が増えてきたために、2010年度から市役所内に「職員保健相談室」を開設。専門家による相談体制を整えた。保健師、看護師による相談をはじめ、精神科医と産業医による相談。そして産業カウンセラーによる相談などで現状を聞いている。昨年度は年間でのべ786人もの人が相談に訪れニーズが高まっている。「さわやかこころ相談室」とも連携し、カウンセリングを受けてもらっている。
 同市安全衛生管理課の菊地栄一課長は「無理をしないよう『リハビリ勤務』と呼ばれる短時間勤務時間から始めるなど、時間をかけて復職をサポートしている。周りの協力も大切なので、ラインケアと呼ばれる管理職の研修にも力を入れていく」という。
 さまざまな職場で増える「うつ病」。ストレスをためないことが重要とされるが、そのためには職場での相談体制を整える必要があり、越谷市の取り組みは参考になる例だ。官民あげての相談体制が今後期待される。
 (安部 匡一)
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