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初の採用合同説明会を開催・越谷市私立保育園協会

2013.10.21 (越谷市)
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 深刻な保育士不足に対策を講じようと、越谷市の民間認可保育園18園でつくる、越谷市私立保育園協会(遠藤進会長)では、初めて保育士採用のための合同説明会を26日午前10時から、越谷市中央市民会館4階会議室で開くことにした。同協会によると民間が合同でこうした説明会を開くのは県内では珍しく「少子化で保育ニーズは高まっており、人材確保が保育園の第一の課題。新卒や既卒者などさまざまな年齢層から採用したい」(同協会事務局)としている。越谷市内の民間保育園では、慢性的な保育士不足のため、ほぼ全園で派遣会社からの派遣保育士で不足分を補うなど厳しい現状になっている。

 越谷市内の民間保育園の保育士が定着しないのは、公立の保育所に比べて、収入が低いことや産休や育児休暇が取りにくいことなど、待遇面で格差があることが主な理由となっている。こうした格差是正に向け、同協会では年2回、行政との懇談会を開催しているほか、市議を招いての「勉強会」などを実施して、研究を始めた。また、人材確保に向け、市が主催する「協働フェスタ」や「子育てフェスタ」などのイベントに参加して、広く呼びかけるなどしているが、根本的な解決に至っていない。
 同協会事務局での〜びる保育園の松本實総園長は「大学や短大、専門学校など、保育士の養成機関を訪ねて、採用試験の受験をPRしているが、公務員の人気が高く、公立保育所を受験する人がほとんど。民間ならではの個性のある保育など魅力を訴えないと、来てくれない。夢とやりがいは民間のほうがあるのですが」と悩みを話す。こうした背景から、広く市民に呼びかけて、今回の「合同説明会」を企画した。新卒者(卒業予定者)から経験者まで、広く募り、良い人材を採用しようという試みだ。
 公立保育所でも、今年度から幅広い人材を採用しようと、保育士実務経験者の募集を始めた。対象年齢は30歳から40歳と幅広く、越谷市人事課では「子育てなどでブランクのある方など、経験豊富な方を募集することで、保育の質の向上を図ることが目的」という。同課によると毎年、保育士の採用試験には約100人が受験し、年間9〜23人が採用されている。「これまでも民間保育園で保育士をされていた方の受験は多かった」(同人事課)という現状で、民間保育園から公立保育園へ人材が流出している。
 市内の民間保育園で働く、本友美さん(33)は「私には保育所に通っていた時の充実したたくさんの思い出があります。それが、保育士として、子どもたちの大切な時間を共にしたいという考えにつながりました。現在、保育士になって10年が過ぎましたが、子どもたちの心にふれ、成長を共にできる日々を送っています」と充実した様子で話す。
 同じく、谷口結里さん(22)は「私は小さな子と関わることが多かったことと姉が保育士をやっている影響もあって、この仕事に就きました。現在は子どもの気持ちを理解する難しさなど多くのことを学んでいます。子どもたちの成長を間近で感じ、元気やパワーを日々もらい、この仕事に就いて本当に幸せです」と笑顔で話している。
 保育士の質の向上のため、市と民間が合同で研修会を年2回実施しているほか、アレルギーなどを勉強する看護師研修も年1回実施し、官民の交流も図っている。ニーズが多様化する保育園。その根幹は人材であり、今回の協会の取り組みは大きな第一歩。個性と魅力ある民間保育園の取り組みはもう少しアピールが必要。子育て支援の一環として、今後は行政の後押しも必要になってくる。
 (安部 匡一)
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