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DV相談支援センター設立へ・増え続ける相談に対応

2013.9.16 (越谷市)
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 それって、DV(家庭内暴力)ではないですか?平成13年、女性専用相談窓口として北越谷駅前に設立された男女共同参画支援センター「ほっと越谷」。生活相談を聞くうちにDVとわかるケースもあるという。昨年2012年度の越谷市のDV相談件数は517件に及ぶ。増え続けるDVに行政として同市は新たな対応を図ろうと、2015年度には、DV被害者の保護と支援の拡充を図るため「配偶者暴力相談支援センター」を設立することにした。越谷市のDV対策と女性の自立支援の現状を探る。

 DV(ドメスティックバイオレンス)とは夫婦や恋人の間で起こる、身体的のみならず、言葉による精神的暴力、性的行為を強要する性的暴力のことをいう。「ほっと越谷」の女性専門の相談窓口ができた2001年度は39件だったDV相談が、2003年度で201件、2007年度から500件を下回ることがない。下は10代から高齢者まで幅広い年齢層の相談が寄せられるが、主に30〜40代の子育て世代が3分の2を占めるという。
 突然些細なことで怒り出す、気に入らないことがあると大声でののしる、生活費を渡さない、人の話を無視する、交友関係を制限する――。暴力だけがDVではない。同市企画部の日下部行雄副参事はDVを「社会的弱者に対し欲求や鬱憤を晴らす、格差社会の影響が顕著に現れたもの」と分析し、DVは重大な人権侵害であり、一人で悩まず相談してほしいと訴える。
 市では、2013年3月にDV防止と被害者の保護に関する「DV対策基本計画」を策定。DVを許さないという意識啓発、相談しやすい体制づくり、相談窓口の周知、自立支援、二次被害の防止対策などに取り組んでいる。また、早期発見と迅速支援につなげるためには“地域の気づき”が大事だとして、地域で活動する民生委員・児童委員に、DVに関する研修を行っている。日下部副参事は「相談に来られる人はまだいい。むしろ潜在的なDVかどうかもわからない人に対し、地域と連携協力を図っていくことが大事」だと話す。
 15年度に開設する「配偶者暴力相談支援センター」は、DV被害者の保護と支援を拡充し、被害者支援の迅速化、総合コーディネートによる利便性の向上、自立支援の充実を図っていく。
 一方、05年8月からDV被害者を含めた女性の自立を支援する「自立支援事業」を確立し、女性の自立支援に取り組む市民団体と連携を図っている。そのひとつ、女性市民団体「こしがや地域ネットワーク13」(通称ケネット、駒崎美佐子代表、会員40人)は、人や地域とのつながりを目的とした「地域コミュニケーション事業」、社会で活躍するためのスキルを学ぶ「スキルアップ事業」、女性の自立を支援する人材育成を目指した「ボランティア養成事業」を担っている。
 駒崎代表(72)は「DV被害を無くすためには女性が自立をして意志をしっかり持たなければいけない。価値観の違う男女がいかにコミュニケーションを取っていけるかが大切」だという。
 DVは次第にエスカレートし、取り返しのつかないことになることもある。今後、ますます行政側は被害者の保護と支援策の拡充や警察や弁護士などとの連携も不可欠になるだろう。自身が被害者にならないために、そして、相手を犯罪者にしないためにも、「何かおかしい」と感じたら、まず相談をしてほしい。
 (新井 真由美)
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